えがお写真館に多くのお客様が来店されるようになると「髪を切ってほしい」「カラーやパーマもできる?」と思いがけない質問を受けるようになりました。
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どうやらヘアメイクをしているならヘアカットもできると思っている方が多いようでした。
とはいえ、美容室に通っている人がほとんどのはず。なぜ私たちに尋ねるのかと不思議に思っていたところ、あるお客様の言葉が印象に残りました。「流行の髪型にしたいけど、若い子ばかりの美容室は行きづらくて。えがおさんならシニア専門だから、髪も切ってくれると思ったの」。この言葉から、シニア世代が気兼ねなくオシャレを楽しめる場所がほとんどないこと、そして私たちへの期待の大きさを感じました。
そこで私たちは、50代以上の女性向けの「えがお美容室」を立ち上げました。写真館と同じく全くの未経験からの挑戦でしたが、やがて口コミで「私たちのための美容室」と広まり、少しずつお客様が増えていきました。
その後も、セレクトショップ、ネイルサロン、エステサロン、そして老眼鏡のセレクトショップ「えがお老眼鏡」へと展開し、今へとつながります。写真館がヒットした際、写真館そのものがヒットしたと捉えず「シニア世代が喜ぶサービスが求められていた」と、その本質に気づいた結果の広がりでした。そしてこの気づきこそが、今も事業の原点にあり、新しい挑戦の起点となっています。
(サンクリエーション代表 太田明良)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。
