地球温暖化の影響を日常的に感じることが増えた。ブラジルで開かれていた国連の気候変動会議(COP30)が閉幕した。「パリ協定」を採択したのが10年前。産業革命前と比べて世界の平均気温の上昇幅を1.5度以内に抑えようと各国、温室効果ガスの排出削減に取り組むが、すでに24年時点で1.5度以上に高まったとの調査報告もある。
地球温暖化は進むが対応はさらに遅れる。COP28で「化石燃料からの脱却」を合意したが、今回産油国などの反対により、それを実現するための工程表の策定は見送られた。他にも「気候資金」の増額を求める途上国と援助額を抑えたい先進国が対立するなど、混迷が深まっている。ただ一方で、企業や自治体などのCOPへの参加は増え、様々な行動計画が生まれている。
大阪では、産官民が一体となって使用済み衣類を回収し、繊維循環を目指す「サステナブルファッション・プラットフォーム協議会」が設立された。行政が加わったことで、家庭ごみとして捨てられている衣類が、資源として活用される道が更にひらかれた。
停滞感が強まったCOPだが、もし30年前に始まっていなければどうなっていたか。利害の対立はあるだろうが、地球環境を守ることは誰もが同意できるはず。国や企業だけではない、一人ひとりの行動も地球環境の未来につながる。
