《めてみみ》地殻変動を経て

2017/05/25 04:00 更新


 日本のSCの総数は約3200。今年も全国で40以上の商業施設がオープンする。4月にはギンザ・シックス、名古屋ではタカシマヤゲートタワーモールが開業した。日本SC協会によると国内の既存SC売上高は3、4月と2カ月連続で前年実績を上回った。いくぶん持ち直した感がある。

瀧定大阪グループのスタイレムは国内に加え、海外販売を強める。生地中心に現在約100億円の海外向けを中・長期で2倍ほどにしたいという。懸念は米国市場。「有力店が相次いで閉まる一方で、EC比率は高まっている。地殻変動が起きているので消費者の購買動向の変化を見極める必要がある」と慎重に攻める考えだ。

米国でヤング向けファストファッション「ルー21」が米連邦破産法11条の適用を申請した。今年に入り破産法適用を申請した小売業は10社で、すでに昨年1年分に相当している。ルー21は06年に250だった店を1200弱まで増やしていた。経営破たんはECの台頭でモールの客数が減ったにもかかわらず、拡大した結果と見られている。

日本でも客の購買動向は変化し、百貨店の閉鎖などオーバーストアが顕在化している。この10年で開業したSCは600超。日本でも〝地殻変動〟は起きているがSCは増える。米国のような大閉店ラッシュがすぐそばに迫っていそうで怖い。



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