フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリはこのほど、慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授監修のもと、全国のフリマアプリ利用者500名と非利用者500名の合計1000名を対象に、「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査を実施した。それによると、商品を購入する際に、新品であることを重視している人は利用者・非利用者合わせても3割以下にとどまった。
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18年3月16日~18日にインターネットで調査した。対象は、全国20~69歳の男女1000名(フリマアプリ利用者500名、非利用者500名)。
商品を購入する際に「新品であることが重要」と回答した人は、利用者、非利用者合わせて3割以下。特に、20代の半数以上が中古品を購入し使用することに「あまり抵抗を感じない」「全く抵抗を感じない」と回答した。新品へのこだわりが低下しているがうかがえる。
また、ここ2~3年で中古品を購入する機会が「やや増えた」「とても増えた」と回答した利用者は半数近くに達したのに対し、非利用者は2割以下にとどまった。その理由としては、「掘り出し物を探すワクワク感があるから」と回答した人(利用者)が最も多く、次いで「中古品の質の向上や種類の増加」「中古品購入の場(ツール)が増えたから」と回答した。
フリマアプリ利用者のうち半数以上が「新品を購入する前にフリマアプリで値段を調べるようになった」や、「売るときのことを考えてモノを大切に扱うようになった」と回答。購入する際の意志決定や、モノの扱いかたにフリマアプリが影響を及ぼしていることがわかった。
利用者は非利用者に比べて「一時的に必要なものはレンタルなどで済ませたい」「ストーリーや理念などがある企業の商品を持ちたい」「人とは違うモノを持つ・体験をすることを重視する」 傾向にあることが判明した。
調査を監修した山本晶准教授は、「他者に売ることを視野に入れて商品を購入するという行為は、家や車などでは従来から行われていたが、フリマアプリの登場により、洋服や化粧品などの他の製品カテゴリにも広がりをみせている。商品は、消費者からつぎの消費者へと手渡され、第2、第3の「商品人生」を与えられる。消費者行動の変化は、ひとりの消費者の所有と消費を前提としてきた企業のマーケティング戦略にも影響を及ぼす可能性がある」とコメントしている。