紳士服の基本のことば‐2 ディテール編

2017/12/31 04:30 更新


 紳士服の基本的な言葉を見ていきましょう。当たり前に使っている言葉も、歴史をたどると奥深いですよ。

 背広・ジャケット編に続き、今回はディテール編です。

1.カラーとラペル


 テーラードなジャケットの襟の上襟をカラー(collar)、下襟をラペル(lapel)という。

 ラペルは、フォーマルウエアなどで使われる剣襟と呼ばれるピークトラペルや、一般的な菱襟と呼ばれるノッチトラペルなど様々な形がある。さらに幅によって、7.5~8センチ幅のレギュラー、より広いワイド、狭いナローと区分されている。

 カラーとラペルの縫い目をゴージラインといい、流行による変化もあるが、このラインが高いとクラシック、低いとモダンなイメージになるとされる。

■カラーとラペル⇒「ジャケットの顔を作る上襟と下襟」

2.セミワイドカラー


 ドレスシャツでセミワイドスプレッドカラーのこと。襟開きの角度は80~100度ほどで、ワイドスプレッドカラーとナロースプレッドカラーの中間のものをいう。

 ワイドスプレッドカラーは100~140度ほどの開きのものを指し、一般にフランス風のデザインとされる。

 ナロースプレッドカラーは、襟開き角度が30~80度ほどと狭い形で、英国風のデザインとされる。

 セミワイドカラーはレギュラーカラーと並び、今のビジネス用のドレスシャツ売り場の売れ筋の襟型となっている。レギュラーカラーの襟開き角度は75~90度ほどが中心。

■セミワイドカラー⇒「ワイドとナローの中間」

3.ドゥエボットーニ


 ドレスシャツで、襟台のボタンが二つ付いているデザインのこと。イタリア語で「二つのボタン」という意味。「デュエボットーニ」と発音されることもあり、最近では単に「ドゥエボタン」とも呼ばれる。

 ビジネスシーンでノーネクタイスタイルが広がっているため、ボタンを外しても襟が高く、かっこよく見えることから普及している。近年はボタンホールの色を変えたり、ワンポイントのデザインを加えたものも多い。ボタンが二つなのは、かつて襟を高くした時に、襟台が折れないように工夫された名残だといわれている。

■ドゥエボットーニ⇒「襟台二つボタンシャツ」



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