紡績の繊維事業は市況の回復に伴って4社が増収となった。減収だった日東紡は原糸事業の撤退が要因。損益面は原燃料高や円安による下押し圧力が強く、売り上げと比べると回復は鈍い。各社はコスト上昇分について適正な価格転嫁も実施しているが、コストの上昇幅、そのスピードに価格転嫁が追いつかず、厳しい局面が続いている。
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高付加価値品の販売伸長
ダイワボウホールディングス(HD)は、合繊・レーヨン部門の機能性レーヨンは堅調に売れた一方、コスメや除菌シート向けの合繊不織布は需要回復の遅れによって販売が落ち込んだ。産業資材部門は増収増益。カートリッジフィルターは、増産体制が整い電子部品メーカー向けの販売が堅調だった。旺盛な建築需要を背景に建築シートの販売も伸びた。衣料製品部門は減収減益。国内販売は堅調だったが、米国向けの販売は減少。円安による仕入れコストの上昇も損益を押し下げた。
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