マークスタイラー AI活用でMD業務の実証実験開始

2019/02/05 06:29 更新


 マークスタイラーは、AI(人工知能)を活用したMD業務の実証実験を始める。売り上げ・在庫などの実績からAIが導き出す需要予測に基づいた売価変更(値下げ)と、従来業務で行った結果を毎週比較し、AIの予測精度を検証する。TISインテックグループのITソリューションプロバイダーであるクオリカと、センシーの3社合同で実施する。

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 マークスタイラーは、クオリカが提供するアパレル向けMD支援システム「MDSS」のユーザー企業。クオリカが昨年末にセンシーと提携し、属人化しがちなMD業務へのAIの導入を進めていることから、「これまでの蓄積(クオリカの実績や情報など)に、さらにAIが加わることで、精度の高い意思決定と業務時間削減が期待できる」(五十嵐英和マークスタイラー経営戦略本部情報システム部部長)と判断した。

 実施期間は2月上旬から3月中下旬の8週間で、春夏物を対象にする。AIが、例えば「30%値下げ」を10品番推奨したら、2、3品番だけ値下げして結果をみるというように、あくまでも実証実験が目的だ。

 マークスタイラーは約200店とECを運営しているが、本部MD業務は商品鮮度維持やフェイス作り、在庫コントロールなど多岐にわたることから人材育成が難しく、売価変更や需要予測も属人的になりがちで、効率化や標準化が求められていた。

 クオリカは、実験結果が良好ならユーザー企業を拡大するが、結果が思わしくなかったら店舗への商品配分などAIの活用領域を変更する考えで、いずれにしても結果は公表するとしている。

 クオリカの一番の問題意識は、アパレル小売業の〝消極姿勢〟だ。売れ残りを恐れて仕入れを抑えたり、隣が下げたからと値下げする横並び意識からの脱却などに役立てること。「AIは万能ではなく、意思決定者であるバイヤーやマーチャンダイザーの背中を押すツール。それを我々が支援したい」(西岡大輔流通サービス事業部リテールソリューション部統括マネジャー)としている。



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