京都「マガザンキョウト」 コロナ禍で持続困難な事業者へのチャリティー企画

2020/04/22 06:27 更新


 ローカルコミュニティーを絶やさないために、今できることを──京都のコンセプトホステル「マガザンキョウト」は、新型コロナウイルスなどが原因で持続困難になった京都の事業者をサポートするチャリティー企画を3月11日から開始した。

 チャリティー名は「レディーフォーユアジャーニー」。自社EC売上高の利益の50%を事業者への応援金とする。4月13日からは、同企画に沿ったオリジナルのロングTシャツを予約販売している。

(金谷早紀子)

■今は支える側に

 マガザンキョウトは16年に開業。「泊まれる雑誌」をコンセプトに、ローカルグッズの販売や若手アーティストの作品展も手掛けている。コロナの影響を受け「周りで経営危機や運営が難しくなっているという声をシリアスな話として聞くようになってきた」と岩崎達也代表。「たくさんの方々に支えていただいてきたから、次は支える側に回りたい」と企画した。

 応援金の送り先は、スタッフと関係の深い事業者に限り、第1弾は京都で開業したばかりのホテル「カガンホテル」と京都の有名クラブ「クラブメトロ」を選んだ。送り先と金額は随時ホームページで公開する。

岩崎代表

 オリジナルのロングTシャツ「旅でも快適な部屋着」は、ゆかりのあるアーティストらの作品をプリントし、10種類以上を販売する。4400円(税込み)。京都のデザイン会社エレファントがボディーの選定からプリントまで携わる。予約分は30日から順次発送する。

 今後も新しいアーティストの作品やボディーの色の追加を検討中。オンライン会議サービスのZoom(ズーム)用のオリジナル背景画像(1100円)も販売する。

グラフィックデザイナー、三重野龍の作品をプリントしたオリジナルのロングTシャツ

◆新規客が8割

 ECの売り上げは2月以前と比べて約3~4倍で推移している。新規客が8割で、知り合いからの口コミやSNSでのシェアで客層が広がっている。売れ筋は部屋着で、販売枚数は80着を超えた。「ミニマライト」の財布や宿泊券と京都のカルチャーグッズを詰め込んだ「雑箱」も売れている。

 客単価は5000円。遠方に住んでいる以前の宿泊客の購買もあり、10万円近く買う客もいる。「支援先を知らないにもかかわらず、マガザンを信用して買ってくださる方が多い」と勇気付けられているという。

チャリティー企画開始後、ECの売り上げは以前の3~4倍に
ホステルは1日1組限定で京町家を一棟貸ししている

関連キーワード新型コロナウイルス情報



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事