「日本の職人技術を学びたい」――英ロンドン出身のインターン生であるレオ・カーンさんが日本の繊維製造工場に関心を持ち、各産地の有力メーカーを見学している。
レオさんはイギリスの金融IT企業で働いた後、東南アジアを中心に旅をするバックパッカーに転じ、昨年一年間は英語教師として日本に滞在。知人を通じ、繊維・アパレル産業の国際認証取得を支援するジャパン・テック・イノベーターズの稲垣貢哉社長と出会った。レオさんの熱意に触れた稲垣社長が自身のネットワークを生かし、優れた技術を持つ産地メーカーへレオさんを連れて回っている。
1月は信和ニット(和歌山県和歌山市)を訪問した。丸編み機の種類や丸編み機の仕組み、編み組織など基礎を学び、工場で生地が編み立てられていく様子を見学。編み機の針交換も体験した。同社の強みである豊富なサンプルや無縫製下着の生産技術、使用する糸の多さについても丁寧な説明を受けた。
素材や機械について積極的に質問し、「サンプル作りはもうかるのか」と聞くと「利益は少ないが、本番につながる基礎。過去サンプルをカスタムすることも多い」と信和ニットの本郷洋平社長。丸編み機は安定した品質を保つため、定期的なメンテナンスが必要と聞き、「2~3カ月に1度、丸一日かけて機械を丸洗いする」との答え。安定した品質を保つための現場の手間を知ることができた。
レオさんは信和ニットのほか、絞り加工の熊谷(愛知県名古屋市)も見学した。同社はカンボジアに子会社を持ち、絞り加工品の輸入をしている。日本で伝統技術を継続していくためには事業基盤の確立が重要だと学んだ。
レオさんは将来はファッションの分野に進みたいと考えている。「自分が関わろうとしている領域の上流に何があるのかを理解することが重要」と語った。
