4年に1度のITMA(国際繊維機械見本市)が伊ミラノで開かれた。19年の前回(バルセロナ)以降、ちょうどコロナ禍をはさみ、繊維業界のニーズやグローバルサプライチェーンの構図も大きく変化している。サステイナブル(持続可能な)が世界的な潮流となり、省人化・自動化のニーズはインドなど新興国でも強まっている。ECの台頭を背景に、機械と消費者を直接結びつけるオンデマンドのソリューションも活発だ。
(中村恵生)
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前処理を本体に
サステイナブルのテーマが最も顕著に現れたのはプリント・染色関連だ。これらはテキスタイルや衣服にデザイン性を付与する重要なプロセスだが、製造工程で多くの水を使用し、蒸し・洗いといった工程で多量の熱・エネルギーを消費することが避けて通れなかった。
近年、小ロット・多品種生産に向き、水使用も抑えられる手法としてインクジェットプリントが注目を集めてきたが、今回はさらにサステイナブルにフォーカスし、ほぼ水を使用しない顔料インクを使ったインクジェットプリントが目白押しだった。