【パリ=松井孝予通信員】仏LVMHの25年1~6月の売上高は、前年同期比3%減(為替調整後)の398億ユーロ、営業利益は15%減の90億ユーロとなった。
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4四半期連続の減収となった。主要部門の落ち込みとアジアでの反動減が影響した。「ルイ・ヴィトン」「ディオール」を主力とするファッション&レザーグッズは、売上高が7%減、営業利益は18%減。ワイン&スピリッツも通商環境の悪化や中国市場の低迷を受け、売上高7%減、営業利益33%減と大きく落ち込んだ。
地域別売り上げでは、欧州と米国でのローカル消費が底堅く推移する一方、日本は15%減だった。24年上期に円安を追い風に訪日消費が急増した反動が表れた。中国を含むアジアでも第1四半期は2ケタ減となったが、第2四半期にはマイナス幅が縮小した。
営業利益率は22.6%と引き続き高水準を維持。フリーキャッシュフローは29%増の40億ユーロとなり、アナリストの予想を上回った。運転資金の管理が奏功したとされる。
米国との通商関係については、、セシル・カバニスCFO(最高財務責任者)は、「(関税が)15%程度であれば対処可能」とコメントした。ベルナール・アルノー会長兼CEO(最高経営責任者)は「米国との摩擦は避けるべき」とし、EU(欧州連合)に対して友好的な合意形成の必要性を訴えている。