「バースデイ・バー」はギフトセレクトショップとして独自の特徴を進化させてきた。現在はパルグループのナイスクラップに属し、マグスタイル事業部が運営する。
ギフトに特化し、「365日誕生日」と銘打って誰もが迎える誕生日をはじめ、主にハレの日を中心とした贈り物を提案している。12年に渋谷ヒカリエ・シンクスに1号店を出しており、現在は24店を展開している。
インテリア雑貨とコスメ、フレグランスなどのバス・ビューティー・ヘルス関連が全体の半分を占める主力カテゴリーで、服飾雑貨を中心としたファッション、キッチン雑貨、家電などの生活雑貨を扱っている。ユニセックスとうたっているが女性へプレゼントしたい商品が主力で、女性客が8~9割を占めている。オリジナル商品と買い付けの両方で構成し、現在オリジナル比率は約4割だ。
以前は他人に贈りたいもの、デザインなどビジュアル面で意外性のあるもの、目を引くものが比較的多かったが、昨年からコンセプトを含めて見直しをかけてきた。その重点が自分へのギフトの強化、自家需要の掘り起こしだ。
他人への贈り物の場合、一定のインパクトを込めたアイテムを考えがちだが、自分が欲しいもの、日常的に楽しく使えるものだ。例えば、クリスマスギフトであれば、これまではパーティー向けやプレゼント交換を意識しがちだったが、自分がもらってもうれしいものという切り口に力を入れている。
インテリア雑貨やビューティー関連品の比率が上がってきたのも自家需要を重視してきたことが要因だ。以前から売れているロングセラー品としてストームグラスがある。液体の入ったガラス製デザインオブジェで気温や湿度などの変化によって液体が結晶化し視覚的にも楽しめるものだが、他人でも自分でも変化するオブジェとして楽しめる。自分でも楽しめるアイテムが結果的に他人へのギフトとして通用することが多い。
同時にラッピングやギフトボックスにも力を注いだ。無料のものもあるが、有料の箔(はく)押しなどキラキラした贈る気持ちが高鳴るような箱や巾着、袋など包材を充実させたことで有料包装の人気も押し上げている。

店舗もギフトを選ぶわくわく感を高める明るい内装に切り替えている。渋谷ヒカリエ店は2年前に改装し、モデル店になっており、新店のほか、既存店もリニューアルを進めている。毎月、2回イベントを行い、他社との協業商品も随時、提案している。SNSによる認知拡大、需要喚起なども積極的に進めている。ギフト接客の強化にも取り組んでいる。
ここにきて業績も好調に推移している。そのため、しばらく店舗数をあまり増やしていなかったが、最近では出店に力を入れており、今年は3月に新宿ルミネ、ミナモア広島に出した。8月1日には町田モディに、9月には池袋ルミネに出店する。