「働いている若手の本音を聞きたい」――ある産地企業の社長と話していた時の言葉だ。次世代を担う若手人材は産地の存続に欠かせない存在。企業は休日制度の充実や設備投資など人材確保への動きを強め、若手の活躍が目立つ産地も出てきている。ただ、実際に働く中での〝本音〟はあまり表に出てこない。そこで繊研新聞社では北陸、備中備後、尾州、奈良などの国内産地で働く入社10年未満の社員を対象に入社理由や魅力、課題などに関するアンケート調査を実施。144人から回答が集まった。
地場産業で働きたい
斜陽産業と言われて久しい繊維産業。経済産業省の調査によると、産業全体の従業員数は19年の27万2973人から22年には22万8458人と引き続き減少している。ただ、そうした中でも産地に飛び込んでくる若手は一定数いる。まず、なぜ入社したのか注目した。