レディス「entwa」(エントワ)などを企画・販売するloop&loop(ループ&ループ、奈良市)が提案の幅を広げている。昨年9月に奈良・ならまちの3階建てビルを一棟借りし、1階にエントワの店を移転、2階にカフェ併設のグロサリー店「ファイ・フード・ストック+カフェ」を開設した。3階は今後、展示やイベントに活用していく予定だ。
(小畔能貴)
販売拡大に弾み
エントワは22年春に本格始動。「日常と発見をつくる」がコンセプトで、曲線を取り入れたシンプルなデザインを軸に、素材やディテールで遊び心を盛り込んでいる。全て国内製造業と協力して物作りし、細部までこだわりを詰め込む。
代表アイテムは刺し子織りを使ったワイドパンツ。立体的なパターンが特徴で、はくだけで様になるアイテムとして定番商品になった。毎シーズン色や素材感を変えて打ち出している。ウィングカラーやオーバーサイズが特徴のオーバーシャツも定番化した人気商品だ。売り上げは前年比2~3割増ペースで推移している。
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同社が輸入販売する靴「NAOT」(ナオト)の路面店内でエントワのインショップを運営していたが、今回の移転により初の単独直営店となった。店舗面積は45平メートル。
リアルの接点強化
コロナ禍をきっかけにSNSで積極的に発信し、全国にファンを作った。ECを含め直営店の売り上げが最も大きいが、卸先も約20件に増えた。「自分たちが直接会いに行くイベント」として期間限定店も継続して力を入れている。
EC比率が半分を占めるが、「今はブランドとしてリアル、(お客が)誰から買うのかを大切にしているところ」。今回の店舗オープンもあって「実店舗の売り上げ比率はこれからもっと伸びていくのでは」と考える。ブランドを長く楽しんでもらうために提案している染め直しも引き続き強化していく。
2階のファイ・フード・ストック+カフェは、同社の社員が好きなことにチャレンジする場として具体化した。同社はエントワだけでなく、書籍の出版・販売、ナオトの輸入・製造などの様々な事業を、様々な経歴を持つ女性社員が中心に兼任している。
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オリジナルのデザートなどが楽しめるカフェと物販のスペースで、物販はスタッフが旅先で見つけたジャムやグラノーラなどの食品のほか、旅をテーマにセレクトした本も揃える。オリジナルブランド「ファイ」でバッグやフェス用コート、Tシャツなども販売している。
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