ロエベ財団が主催するクラフトプライズ2024の発表セレモニーが5月14日、パリ現代アートセンターのパレ・ド・トーキョーで開かれた。ジョナサン・アンダーソンの発案による同プライズは今年で7回目を迎え、124の国・地域の職人から3900点を超える応募があり、その中からファイナリスト30人、うち日本からは国別で最多の6人が選出された。
グランプリには、メキシコを拠点に活動するアンドレス・アンサさんの作品「アイ・オンリー・ノウ・ホワット・アイ・ハヴ・シーン」(I only know what I have seen)が輝き、トロフィーと賞金5万ユーロが授与された。アンサさんは、耐火粘土を素材に何千ものスパイク状の突起で植物にも動物にも見える等身大のトーテムで、セラミックの概念をユニークに壊し、選考委員らから高い評価を受けた。
特別賞はジュエリー作家、浅井美樹さんの静物画からインスピレーションを得たミニチュアの容器をベースにした三つの彫刻リング「スティル・ライフ」、韓国のヒチャン・キムさんの曲木の伝統技術を使ったトネリコ材を細い銅線で縫い合わせた彫刻のような器、フランスのエマニュエル・ブースさんの98個の中空磁気レンガを構造体から個別に持ち上げることで接着剤を使わずに固定したコーヒーテーブルの3作品に贈られた。
ファイナリストの作品は同館で6月9日まで展示される。
(パリ=松井孝予通信員)