小松精練とスタイレム デジタルプリント生地を拡販

2018/03/29 04:26 更新


 小松精練とスタイレムは、デジタルプリントファブリック「モナリザ」を活用したプリント生地企画の商品力の向上とファッション衣料以外への用途開拓、さらに価格帯に幅を持たせ、販売数量拡大を狙う。

(藤浦修一)

 両社はモナリザを使い協業で生地を開発し、昨年から素材展「モナリザS+」を開いている。2回目の今年は29日まで東京の原宿クエストで開催している。

 ただ、ファッション衣料業界は「デフレスパイラルが止まらず、価格の二極化がさらに進んだ」(池田哲夫小松精練社長)結果、比較的高価格となるモナリザS+の企画生地は苦戦、スタイレムの販売実績は年間1億円にとどまり、「失敗だった」と振り返る。

 このため、2年目の今回は、小松精練の技術力とスタイレムの感性ソフトの融合による商品力を高める。

 同時に台湾やインドネシアなどの海外生地の活用を広げることなどで、販売価格帯を1年目の1メートル当たり1000円以上から3ケタ台の価格の物まで広げる。併せてファッション衣料以外に、グローバルスポーツブランド向けやインテリア用などに用途も拡大、3年目となる19年度には初年度の10倍の10億円の販売を目指す。18年9月のプルミエール・ヴィジョン・パリにも出展し、輸出も本格化させる。

 また、「商品力、価格以上に大事な要素」という納期にもこだわり、デザインから試作品作成まで1週間、見本反生産2週間、量産3週間の「1・2・3」納期対応を徹底することで販売拡大につなげる方針だ。

 モナリザS+展では、華やかなプリント柄だけでなく、無地に見える質感やチェックなど先染め柄をプリントで再現した素材、「コンブ」など小松精練の独自開発加工と組み合わせた生地約200点を紹介している。

ウールの先染め織物柄などが人気(モナリザS+展)


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