小松精練とアイ・エス・テイ(I.S.T、大津市、阪根利子社長)は、合繊短繊維100%織、編み物「カール・カール‐ケーエス」の進化版を開発、18年秋冬から本格販売に入る。
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同素材は両社が15年に新感覚合繊として発表したが、ターゲットが不明確で、価格も高めだったことから広がらなかった。今回、新生カール・カール‐ケーエスは染色堅牢度を大幅に改善する一方でコストを30%下げ、生地販売価格も30%引き下げた。意匠性、感性も「ウールでもない合繊でもない新しい価値のある素材」(池田哲夫小松精練社長)に仕上げた。
I.S.Tが自社の改良梳毛紡績機で繊度や繊維長も独自に設計したポリエステル短繊維を紡績。糸は二重構造糸となり軽くて、ふくらみがあるのが特徴。
この素材の毛番手の24、40番手糸を使った織、編み物を同社が生産。小松精練が、リラックス工程などで通常のポリエステル素材とは異なる条件で加工するなど染色加工工程も見直して、独特の風合いや表情に仕上げた。この結果、レギュラーポリエステルと比べて30%軽量化、30%ふくらみを持たせた。
織物を主力に、丸編み、トリコット、「ホールガーメント」を使った横編みも商品化。ファッション衣料、スポーツ衣料、インテリア全般、靴、かばんなど多様な用途を想定、小松精練の各種機能性加工や感性加工との組み合わせで多彩な素材提案を行っている。3年後には10億円の販売を見込んでいる。