ゴールドウインと小松精練 天然色素でウールを着色

2018/01/30 04:30 更新


 ゴールドウインと小松精練は、天然色素を使ってメリノウールを着色する技術を共同開発した。ゴールドウインが販売するニュージーランドのウール製品ブランド「アイスブレーカー」で今春から「ネイチャー・ダイ」として展開し、ゴールドウインの直営売り場や卸し先100店で販売する。

(中村恵生)

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 小松精練の、天然色素を使って合繊を染める「オニベジ」技術を応用し、1年半の開発期間を経て実現した。天然色素は染着性が悪く、ウールも染まりにくい。オニベジ同様、タマネギの外皮から抽出した成分を助剤として使用し、天然色素と化学染料を組み合わせて定着させた。製品染めし、量産は天然繊維用の設備や技術を持つワールドインダストリー富山で行う。

 色はサクラ、オニオン、バンブーチャコールの3色で、原料も東京のソメイヨシノの花弁と奈良の啓翁桜の枝、北海道のタマネギ、大分県日出町の竹炭を使用した。アイテムはカーディガン(1万9500円)、長袖Tシャツ(1万3000円)、半袖Tシャツ(1万3000円)で、素材はウール87%・ナイロン13%。秋冬は、ススキ、柿、松など計画している。

 アイスブレーカーは95年にニュージーランドでスタートしたブランドで、肌触りの良いメリノウールのアウトドア肌着が主力。日本ではゴールドウインが12年から販売代理店となり、カジュアル寄りの商材も広げ、日本企画を行っている。「メリノウールのファンからカラー展開の要望が出され、共同開発につながった」(仲田政樹ゴールドウインザ・ノース・フェイス事業部MD)。海外でのニーズも出ており、具体化を検討する。

国内で調達した3種類の天然色素を使う


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