【オーガニックコットンの基本と事実】綿花全体の1%に満たない?(小島稜子)

2020/12/22 06:25 更新


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 最近、テレビCMでも聞かれるオーガニックコットン。皆様はどのようなイメージをお持ちでしょうか。実は、誤解や知られていないことも多いのです。

◇国際認証が必要

 オーガニックコットンとは、「化学薬品を使用しないで栽培された綿花から作られるコットン素材」(繊研新聞社『新版 ファッション大辞典』)のことです。一般的には有機栽培綿の総称として使われますが、国際的な認証を取得したもののみが正式に認められます。

 認証には、GOTS(オーガニック・テキスタイル世界基準)や、国際NPOのテキスタイルエクスチェンジが保有するOCS(オーガニック・コンテンツ・スタンダーズ)などがあります。遺伝子組み換えの種を使わない、農薬や化学肥料を3年以上使っていない土地で栽培するなど、厳格な基準で調査します。

認証に関する詳しい記事は▷▷国際認証やラベル、プログラム、枠組みを知ろう

◇労働環境にも配慮

 認証では、綿花だけでなく、最終製品までの製造工程にも基準が設けられています。繊維の混率やトレーサビリティー(履歴管理)といった品質の透明性に加え、人権保護など労働条件にも配慮が必要です。土壌に影響を与えないといった自然環境への負荷低減だけが注目されがちですが、農家をはじめとする生産現場で働く人々にも優しいのです。

 綿農家は、家族経営で家計の貧しい小規模農家が多いといいます。経済的な都合からスタッフを雇えない小規模農家では、子供が手伝わなければならず、学校に通えないという間接的な悪影響も起きています。

 オーガニックコットンでは、農薬や化学肥料を購入する必要がないために金銭的な投資は少なく済みます。また、児童労働による教育の機会の損失に対しては、オーガニックコットンの栽培を支援する団体が、奨学金の給付など学校に通わせる制度を設けて解決にあたっています。

 支援団体には、一般財団法人のピース・バイ・ピース・コットン(PBPコットン)などがあります。PBPコットンは、オーガニックコットンを使う製品に付けた専用タグの価格分を基金として積み立て、オーガニック綿の最大生産国であるインドの農村に対する支援に充てています。PBPの支援により、約15000軒の農家が有機農法へ転換し、約2000人が復学しました。(数字はPBP公式ホームページより)

◇オーガニックコットンのウソ・ホント

 オーガニックコットンは「肌に優しい」というイメージが根強いですが、誤解です。繊維の肌触りは、栽培方法でなく超長綿など種の品種によって決まります。レギュラー綿(オーガニックコットンでない綿)にも、農薬・化学肥料は検出できるほど残留しません。レギュラー綿と物的な差がないため、客観的に区別するには国際認証が必要となるのです。

 また、高価と思われる方も多いでしょう。事実、流通量が少ないため、価格が割高になります。オーガニックコットンは、綿花全体のわずか1%未満に留まっています。レギュラー綿に比べて採れる種が少ないことに加え、農薬や化学肥料を使わず虫を駆除したり手摘みで収穫したりと労働コストが高いことに対し、先のとおり品質が変わらないため、なかなか栽培する農家が増えません。


◇課題解決へ向けて

 オーガニックコットンは自然にも働き手にもメリットがありますが、コストなどにまだ課題があります。現状のコストを下げるには、そして栽培を普及させるにはどうすればよいのでしょうか。PBPコットンの代表理事を務める葛西氏と、同理事でヤギグループ山弥織物社長の石塚氏、アダストリア生産本部長の青木氏に話し合っていただきました。

詳しくは、20年12月23日付の繊研新聞本紙・電子版・繊研plusに掲載しますので、ご覧ください。電子版は、期間限定で初月無料キャンペーンも行っております。

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こじま・りょうこ 繊研新聞社編集局 本社編集部 記者

18年入社。合繊メーカーの機能素材を中心に川上分野を担当。素材を日々勉強する傍ら、バーチャル関連の話題も追っています。

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