靴下のニット・ウィンがファクトリーストア開設 物作りの価値を伝える場に

2024/11/13 06:26 更新


80ブランドを揃える

 靴下メーカーのニット・ウィン(奈良県葛城市)は、大阪、東京に次ぐ3店目の直営店として、本社工場横にファクトリーストアをオープンした。靴下産地では珍しい工場見学ツアーを組み入れながら、「物作りの価値や本質、ブランドの思いを伝えていく場」(西口功人社長)としていく。

(山田太志)

 350平方メートルの敷地に建屋を新設し、1階は事務所やEC発送の拠点、2階にイベントなどに使う多目的スペースと約48平方メートルのファクトリーストアを設けた。ショップは「はくひとおもい」をコンセプトに、上質な天然繊維使いで時代に左右されない主力のノンセックス自社ブランド「ニシグチ・クツシタ」のほか、レディスの「ハクネ」、「メメリ」など約80ブランドを揃える。

ファクトリーショップの外観

 ファクトリーツアーでは動画による企業概要やブランド説明のほか、編み立てからヌキ、ロッソ、検品などの製造工程を間近に見ることができる。インスタグラムのストーリーズで予約を受け付け、1回4人の午前・午後2部制(所要時間約45分)となる。

 同社の創業は1950年で現在の年商は約5億円。温泉向けの足袋型靴下やOEM(相手先ブランドによる生産)が長く続いたが、近年は自社ブランドを強化。半世紀を超える古い編み機を大事に活用したローゲージ物から、自動リンキング機能のあるロナティの「SbyS」まで多様な編み機を駆使した国産の物作りを強みに、自社ブランド比率は55%まで増加した。個性派の個店などを主に、国内販売先は300店を超える。

新旧の編み機を駆使した国産の物作りが強み

 昨年5月に専務から社長に就任した西口社長は、海外市場の開拓にも力を入れる。英・米・豪州を中心に30カ国・地域300店近くに販路が拡大し、海外販売比率は20%まで高まった。将来的には奈良観光などを兼ねた海外のバイヤーなども呼び込んだ情報発信・商談の拠点としたい考えだ。

西口社長


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