今気になるのはポーランド発ブランド”RISK”(宮沢香奈)

2019/08/27 06:00 更新


前回に引き続き、ポーランド・ワルシャワの情報をお伝えしたい。今回は、ポーランドの最新ファッション事情について。東京から出張で来ていたデザイナーチームがミッテ地区にあるポーランド発のブランドをメインとしたセレクトショップを発見し、同行させてもらった。

北欧の人気ブランドやトレンドど真ん中を意識したデザインというより、独自の個性を持ったユニークなデザインや着心地の良い素材のものが多く、値段も手頃でクオリティーが高いことに驚いた。インディペンデントにありがちなやり過ぎ感はなく、洗練されていて欲しいと思うアイテムが多数あった。

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ベルリンファッションウィーク中にもポーランドブランドにスポットを当てたショーやエキシビジョンが開催されており、以前から気になっていたが、ベルリンファッションウィーク自体レギュラー参加していないため、これまで見る機会がなかった。だから、今回のワルシャワ滞在中の目的の一つとして、注目ブランドやセレクトショップ、ヴィンテージショップを回りたいと思っていた。


限られた時間の中でいくつかの店舗を見て回ることが出来たのだが、一番のお気に入りは今回紹介する”RISK made in warsaw”である。同ブランドを愛用しているポーランド人の友人で、”Polish Thursday Dinner”の主催者でもあるJuliaから教えてもらった。


まず、店舗の入っているレンガ造りの古い建物が非常に風情があって、映画のワンシーンに出てきそうなどこを切り取っても絵になる雰囲気を持つ。店内は広々していて開放的、天井にはいろんな種類のランプを密集させたオブジェのようなライトが目を引く。

インテリアや什器のセンス、カラー別にレイアウトされた商品の見せ方が素晴らしく、ワンブランドの路面店ながらセレクトショップのような見応えがある。RISKの世界観をきちんと伝えるには、建物と内装も丸ごと見せないといけないだろうと思った。



同ブランドは、もともと友人同士のデザイナーKlara KowtunとAntonina Sameckaによって2011年よりスタート。”優れたフィット感、優れたプロポーション、着心地の良い生地”をコンセプトに掲げている通り、柔らかくて肌触りの良いカットソー素材をメインに使用しており、身体のラインに沿ったフィット感のあるドレスが中心となっている。

身体のラインが強調されるドレスはグラマラスになり過ぎたり、コンサバになり過ぎたりする危険があるが、RISKのドレスは適度にエレガントで、リゾートやストリートもミックスされているため一枚で気軽に着こなせる。オリジナルのグラフィックはカラフルで、ストライプやアニマル、花柄と女性が好むモチーフが多いが、コンテンポラリーアートを感じさせる。

Antonina(左)Klara(右)(*画像オフィシャルサイトより拝借)


気になって後から調べたら、様々なアーティストとのコラボレーションやイベント、エキシビジョンなども行っていることが分かった。デザイナーの意向が、ファッションだけでなく、アートや音楽と同じくカルチャーの一部としてブランドを表現しているとあって、内装や商品の見せ方が通常のショップと違い、ギャラリーやアートインスタレーションのようになっている理由がよく理解出来た。


縫製はポーランド、生地もポーランドとヨーロッパ国内のものを使用しているとのこと。それでいて、値段はお手頃。残念ながらベルリンではまだ取り扱いがないようだが、ファッション、アート、音楽、飲食が注目されている今、RISKに目を付けるショップが出てくる時も近いだろう。自分の仕事でドイツブランドのリサーチをしている最中だったこともあり、自身で取り扱いたいと思ったほどである。

「RISK made in warsaw」(*画像オフィシャルサイトより拝借)

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長野県生まれ。文化服装学院ファッションビジネス科卒業。

セレクトショップのプレス、ブランドディレクターなどを経たのち、フリーランスとしてPR事業をスタートさせる。ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積みながら、ライターとしても執筆活動を開始する。ヨーロッパのフェスやローカルカルチャーの取材を行うなど海外へと活動の幅を広げ、2014年には東京からベルリンへと拠点を移す。現在、多くの媒体にて連載を持ち、ベルリンをはじめとするヨーロッパ各地の現地情報を伝えている。主な媒体に、Qetic、VOGUE、men’sFUDGE、繊研新聞、WWD Beautyなどがある。



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