ベルリン拠点のジャパニーズ・テクノ・デュオ(宮沢香奈)

2018/09/25 15:00 更新


Medium 1 sub human bros live at not another saxo beat photo by tobias braun

友人であり、尊敬するアーティストでもある"Sub Human Bros"から興味深いニュースが飛び込んできた。

"Sub Human Bros"(以下、SHB)とは、Makoto Sakamoto、Yutaka Sakamotoの兄弟2人によるジャパニーズ・テクノ・デュオで、ベルリンを拠点に日本、韓国、ブルガリアなど世界各地で活動の幅を広げている。ソロワークも含めて常に勢力的に活動を行っている彼らだが、今回はベルリン拠点の日本人アーティストとSHBの地元である九州のアーティストを多数巻き込んだアルバム『DREAMER REMIX』 をリリースということで、これまでとはまた少し違った展開に期待している。今作はタイトルの通り、春に日本で先行発売されたセカンドアルバム『Dreamer』のリミックスアルバムであり、総勢16組のアーティストが参加している。

※前回のレポートはこちら


SHBのファーストアルバムのリリースパーティーと同じくベルリンのURBAN SPREEにて今月29日に開催されるリリースパーティーは、関係者たちによる投稿ですでにSNS等で話題を呼んでいるが、ベルリンで9年間純粋にテクノと向き合ってきた彼らにとっての集大成であり、新たな転機とも言える。

兄のMAKOTO SAKAMOTO名義では映画館や美術館でのサウンドエキシビジョンやアートムービーのサウンドトラックを手掛けるなど、アート方面の活動にも力を入れており、ミュージックビデオやジャケットワーク、また彼らのファッションからもアート感度の高さを感じられる。

ちなみに、今作のリリースツアーの最後を飾るイベント"PLANET BAR in ナイトミュージアム"は長崎県美術館が会場となっており、普段クラブに足を運ばない層や子供たちとの交流を目的とした入場無料のイベントとなっている。テクノをルーツとしながらも芸術的観点からダンスミュージックを伝えれる素晴らしい試みであり、今の日本に必要な文化交流であると思う。


言うまでもなくベルリンのアンダーグラウンドシーンで実績を作っていくことはとてつもなく大変なことである。ダンスミュージックシーンにおいては特にシビアで独特の世界があり、そこに入り込んでいくだけでも勇気がいる。そんな中で地道に活動を続け、実績と人脈を作ってきた彼らが声をかけ、Mijk van Dijkをはじめとするトップアーティストとクレジットが並ぶことは日本人アーティストにとって良い原動力となることだろう。ここからさらに広がっていってくれることを願いながらリリースパーティーの開催を楽しみに待っている。


『SUB HUMAN BROS DREAMER REMIX / V.A.』

bandcamp / オフィシャル・ショップ (CD+デジタル) 

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ディスクユニオン(日本国内先行予約)



ジャパニーズ・テクノ・デュオ "Sub Human Bros”

2018年の春に日本で先行発売したばかりのセカンドアルバム"Dreamer"、ファーストアルバムとは一転して彼等の新たなる方向性を示した作品のリミックス集が早くもこの秋にリリースされる。リミキサー16アーティストによる19トラックス収録のCD2枚組、テクノ、ハウス、エレクトロニックミュージック、ベースミュージックの様々なジャンルの内容になっている。

リミキサーにはベルリンで彼等をサポートし続けるダンスミュージック・レジェンド"Mijk van Dijk"(マイク・ヴァン・ダイク)を筆頭に、TOKTOKが運営するV-Recordsのリリースアーティストであり、昨年ベルリンから東京へと活動拠点を移した"ODD a.k.a. Daisuke Pak" 、Mathew Jonson(マシュー・ジョンソン)率いるFreedon Engineからリリースを控える"S Katz" (a.k.a. Katsuhko)、この秋Tresor.Berlinと合同レーベルイベントを開催するSound Of Vastのオーナー "Red Pig Flower"、更にはドイツはアーヘンに拠点を置き、2013年以降200曲近くのリリースをこなすテクノ・プロデューサー"Ayako Mori"も参加している。 

他にも彼等が所属するベルリンのピュアテクノレーベル"Eintakt Records"(アインタクト・レコーズ) から、レーベルメイトの"Gunnar Hemmerling"(Lars Hemmerlingの双子の実兄) 、数々のローカルイベントで共演し彼らをサポートし続ける"Iman deeper"率いる"Aananda"、地元ベルリンからはドイツ人アーティスト"Chris Knipp"、ベルリン・フランス間を拠点にアンダーグランドシーンで注目を集める"Discult Soundsystem"、ベルリンをベースに活動する日本人アーティストからは、15年のDJキャリアにして初のリリースとなる"Yasuhisa"、セルフイベント"Vein"を主催しつつベルリンとチェコをベースに活動する"Kenji Tazaki"、最近ではベルリンの人気クラブ "://about blank"でのライブや"abend kollektiv"からのリリースが記憶に新しい"O.R." (OHNO Ryuji)など、Sub Human Brosのベルリンでの活動に欠かせないメンツが今回のリミックスアルバムには集結している。

そして今回のスペシャルな内容に相応しく、彼らのホーム九州から福岡ストリートを発信し続けるSteamworkより”iSOP”、長年福岡のアンダーグランドシーンを支えてきたイベント"otonoha"を主催する"T.B"、九州らしいベースミュージックシーンからは福岡親不孝通りに位置する多目的スペース・トランスフォームのクラブオーナーであり、自身のレーベル”下大利音楽・被服堂”を運営しエンジニアとしても活躍する朋晃(ツキツキニッコウ)こと"TN GHETTOWORK"、最後は二人の生まれ故郷最南長崎から、2018年のこの夏 "MARCO - FIRE BIRD"のプロデュースで日本語ラップシーンで注目を集める名プロデューサーでありレーベルメイトの"DJ Motora a.k.a Motra Green"も参加している。

"DREAMER"のアートワークとミュージックビデオを担当した、ドイツ生まれの日本人監督・グラフィックデザイナー "C. Yuhki Oka"がアルバムデザインもセルフリミックス!

2019年からベルリンだけでなく九州も本格的な活動拠点として予定している彼らの意思表明とも言えるこのプロジェクトは、この9年間活動し続けたドイツ・ベルリンと九州のダンスミュージックシーンを繋ぐ新たな架け橋と呼ぶに相応しいリミックスアルバムがここに完成した。 

9月にベルリンからスタートする秋のリリースライブツアーは、約1年ぶりとなる二人揃ったライブを観ることができる。そして、ツアーを締めくくる11月9日、彼等の生まれ故郷にある長崎県美術館で、このリミックスアルバムに参加したアーティストも加わり、これからの未来を担う子供達や、クラブシーンに携わらない一般客とダンスミュージックシーンでの交流を目的とした、入場無料イベント“PLANET BAR in ナイトミュージアム”が開催される。


「SUB HUMAN BROS ライブ・スケジュール」

9月29日 Urban Spree (ベルリン・ドイツ)

10月04日 Tell Me Bar (ソフィア・ブルガリア)

10月06日 TBA (ソフィア・ブルガリア)

10月27日 白浜フローラルホール (千葉・日本)

11月3日 Ain (ソウル・韓国)

11月9日 長崎県美術館 (長崎・日本)


宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。

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