布製ランドセルが早くも”ラン活”で選ばれていた!各社の売れ筋をご紹介(金谷早紀子)

2023/12/26 06:00 更新


 こんにちは!こども市場担当記者の金谷(かなたに)です。

 12月22日付で、布製ランドセルの今年の商戦について記事を書きました。

 布製ランドセルとは、ナイロンやポリエステル地で軽さを追求した通学向けリュックのこと。昨年は、モンベルやファミリアなど有名ブランドが参入して大きな話題になりました。

 昨年末の記事は、どうすれば布製ランドセルが定着するんだろう、という視点で書きましたが、私の予測は間違っていました。布製はもう、〝ラン活〟の選択肢の一つになっていました。これまで高学年のセカンドランドセル需要が高かったメーカーも、今年は新1年生向けの売り上げが上回ったそうです。

 22日付の記事では、各社の売れ行きや、販売の工夫、来年の販売計画について報道しています。ここでは、各社の売れ筋ランドセルをご紹介します!(価格は税込み)

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・フットマーク 「ラクサック・ジュニアプラス」

 先行組の一つ、学校用品メーカー、フットマークの「ラクサック・ジュニア」。20年4月に発売し、これまで小学校高学年の買い替え需要が多かったですが、22年11月に出した、デザインを布製ランドセルに近づけた「ラクサック・ジュニアプラス」がヒット。新1年生向けの購入が増えています。

 サイズは低学年向け(850g、1万6500円)、高学年向け(890g、1万7600円)の2サイズで、合わせて7色を展開。女の子にはアクアやラベンダー、男の子にはネイビーや黒が人気だそうです。

・ラナオス「ニューランド」

 スタートアップのラナオスが販売する「ニューランド」は、21年3月にデビュー。専業ならではの細かな改良が特徴で、今年は水筒用ポケットをメッシュにしたり、反射材に「オーロラリフクレクター」を採用。色数も7色に増やし、虹をバックに子供達が並んだ新ビジュアルはインパクトがあって、インスタグラムのフォロワー数も増えたそうです。

 サイズはM(930g、3万9600円)、L(1060g、3万9600円)の2サイズ。人気カラーは男女問わずブラック。革製よりもリュック感覚で背負えることから、レッドも男の子に人気だそうです。

・ファミリア「エアラン」

 ベビー、子供服の伝統ブランド「ファミリア」は、22年9月に「エアラン」を発表。これまでも革製、人工皮革のランドセルを長く販売していますが、今年の「エアラン」の販売個数は、革製、人工皮革製を上回ったそうです。

 重さは880gで、6万9300円。色展開も12色と豊富で、イエローやオレンジなど珍しい色も出しているのがファッションブランドらしいですね!人気はダントツでネイビー。ファミリアファンから支持が厚い色というだけでなく、男女問わず制服に合わせやすい点も理由だそうです。

・モンベル「わんパック」


 昨年、富山県立山町の子供たちに向けて開発した「わんパック」。22年11月から一般販売を開始したものの、すぐに完売してしまったため、再販を心待ちにしていた人も多かったのでは。

 重さは930gで、1万4850円。ブルーグリーンが男女ともに突出して人気だそうです。セカンドランドセル需要や、塾通い用に買われるケースも。ビジネスシーンで使いたいという大人からの要望もあるそうです。自治体や学校とのコラボレーションも増えていて、皆さんの地域で目にすることがあるかも?

・ニトリ「洗える超軽量ランドセル」


 今年は、大手量販店のニトリやイオンが布製ランドセルに参入したことがニュースでした。ニトリは、ランドセルの販促も従来の人工皮革品から布製にシフトして、CMやチラシで積極的に発信。このCMで、布製ランドセルという存在を知った人も多いのではないでしょうか。

 高強力素材「コーデュラ」のポリエステルとナイロンを使用し、重さは約840g。1万9990円。売れ行きは好調で、ランドセルの販売数量のベスト5に入ったそうです。全体の6割がブラック、4割がパープルを購入。来年は色も追加して、さらに拡販を目指すとのことです。


 以上、各社の売れ筋のご紹介でした!

 この「布製ランドセル」というワード、繊研では革製と対比になるよう「布製」としていますが、布=服地のような柔らかいもの、とイメージする人もいて、どう呼ぶべきか悩ましいところ・・・。ネットを見ても、ランリュック、スクールリュック、軽量ランドセルなど呼び方にばらつきがあります。これらのランドセルを表現できる一般名詞のようなものが登場すれば、もっと世の中に浸透していくのかなと思います。

 布製ランドセルを激推ししているわけではありません。革製しか選択肢がなかったラン活に、布製「も」あるという新しい選択肢が定着することで、親子がより納得感を持って購入できるようになったり、多様な通学スタイルが浸透する世の中になることを望みます。

かなたに・さきこ 07年入社。レディスの成長企業から小粒で光るECブランドまで幅広く取材。育休を経て、キッズ市場担当に。繊研新聞こども市場取材班 Instagram(https://www.instagram.com/senken_kids/)、Twitter(https://twitter.com/senken_kids)の中の人



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