トレランのおしゃれトレンドは?(杉江潤平)

2016/10/24 14:58 更新


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富士山麓を一周するトレイルランニングレース「ウルトラトレイル・マウントフジ」(UTMF)が、9月23日~25日に開催されました。繊研新聞スポーツ班は、昨年に続いて過酷な同レースの取材を敢行(UTMFや昨年の様子はこちら)。以下はそのレポートです。

 ■大雨のレース…

 大会自体は悪天候に悩まされました。UTMFは大雨警報によりスタート時刻を延長し、さらにコースを短縮して開催(167km→45km)。翌日行われた半周レースの「シズオカtoヤマナシ」(STY)は、安全なコース確保が困難となり、途中で中止となってしまいました。

しかし、こうした中でもランナーのモチベーションはすごく、激しい雷雨の中、意気軒昂に走っていく様には勇気を得た想いです。

 

 
2時間押してスタートしたUTMF 


ふかふかのトレイルを走っていく 


UTMFは悪天候からゴール地点を急遽変更。トップランナー(ディラン・バウマンさん)はゲート設営が間に合わずに、ゴールしていました

 
翌日のSTYはどしゃぶりの中、レースが始まりました。残念ながら、この後さらに雷雨が激しさを増し、やむなく中止に…

 

■増えるバンダナ 一番人気は「バフ」!

 繊研新聞では昨年に続き、スタート地点にいたおしゃれランナーをスナップしてみました。トレイルランナーは個性的で新しいモノ好きと言われていますから、スナップ集は今後のトレンドを推し量るためにも、参考になるはず。ぜひチェックして下さい。

まず今年はヘッドアクセサリーに大きな変化が。ツバの大きいキャップやバイザーではなく、バンダナの着用者が著しく増えていました。キャップに比べカジュアルな印象を出せるうえ、ナイトトレイルでヘッドライトを付ける際に、ツバが邪魔にならない利便性が評価されています。

一番人気は、スペインの「バフ」(Buff)。バンダナだけでなくネックウォーマーやリストバンドなど何通りにも使える汎用性が受けています。海外のトップランナーも数多く着用、近年は国内のレースにも協賛しており、認知度が急速に上がっています。

 

 
バンダナだけでなく、ネックウォーマーやリストバンドにもなる 


バフを装備して出走したランナーにロゴ入り特性ミニタオルをプレゼントするキャンペーンをしていました
(ゴール付近でキャンペーンを知らせるバフ関係者)

 
チャーミングなサイクルキャップでちょっと変化を付けたランナーもいました


■カジュアルに着崩し、個性楽しむ

コーディネートの全体傾向としては、従来のランニングスタイルをよりカジュアルに着崩し、個性を表現するようになっています。

典型例は、米ブランド「インクンバーン」のデニム風花柄タイツとタンクトップを着用した女性のスタイル。「えっ?ジーンズで走るの?」と驚き、つい声を掛けたのですが、実はデニムではなく機能素材によるタイツと知ってまたびっくり。

 

 
トップはカラフルなパラソル柄。日本では販売されていないブランドなので、ネットで購入したそうです

 

色使いを楽しむランナーも目立ちました。テーピングとバンダナなどキーアイテムの色を揃えたり、全アイテムを同一色で統一したりと、思い思いにカラーコーディネートを楽しんでいます。

 

 
バンダナとテーピングをピンクで合わせた女性。ブルーとマッチして、爽やか 


全身ブルーでコーディネートしていた男性ランナーは、「バフ」のバンダナに、「パタゴニア」のウェア、「ホカオネオネ」のシューズを着用していました

 

■軽装傾向も強く

 一方、減ったのはコンプレッションタイツです。数年前はマストアイテムと言われていましたが、今レースではテーピングやハイソックスなどを活用し、肌を露出する人のほうが多かったですね。足全体を覆う煩わしさや、見た目の動きやすさを重視するランナーが増えているようです。

 

 
足全体を覆う煩わしさを嫌がり、肌を露出するランナーが増えています。ハイソックススタイルも増加傾向。ブランドでは「C3フィット」や「CEP」などの着用が目立ちます

 

柄ショーツの人気は継続していました。走る場所に合わせるためか、植物柄が目立ちますね。スタイルの軽装化は続いているのですが、身に付けるものは、「華やか」「鮮やか」「カジュアルに」という意識がランナーには強いようです。

 

 
落ち着いた色味の中に「パタゴニア」の柄ショーツと同系色のテーピングがワンポイントになっている女性ランナー。インナーには吸湿性の高い「スーパーナチュラル」のメリノウール混紡シャツを着ていました。シューズは「アルトラ」


 ■番外編)100回目のランナー発見!

 取材を進めていると、今回のUTMFで、ちょうど人生100回目のメモリアルレース、という方にも巡り合えました! 名前は木村豪文さんです。

実は木村さんは、UTMFの特別協賛企業であるゴールドウインの社員で、「ザ・ノース・フェイス」でフットウェアの開発を担当しています。たくさんの大会に出ているのは、単に走るのが好きだからという理由だけではなく、自ら手掛けたシューズを履いて、実際にフィールドで走り心地や機能性を確かめ、改良につなげるためでもあるとか。

ゴールドウインは、スポーツを一番に考える「スポーツ・ファースト」ということを理念に掲げているのですが、木村さんのライフスタイルそのものがスポーツ・ファーストを正に実践しているように思えました。

そんな木村さんがUTMFに参加するのは今回で4回目。「実は1、2回目は辛さだけが際立っていたんです。でも、走り重ねるうち、路面で倒れている人に声を掛けて励ましたり、互いに助け合ったりとランナー同士のつながり、触れ合いが生まれるレースだなと感じるようになって…」と、木村さんはUTMFの魅力を話してくれました。

距離が大幅に短縮された今回も、はやばやと完走。レース直後には、「林間コースでは雨はそこまで気にならなかったのですが、ロードでの降雨はすごかった。霧にも悩まされました」と感想を語っていましたが、まだまだ走り足りない様子。健脚です!

木村さんがこれまで走った距離を足すと、なんと地球1周分にもなるとのこと。「まだ走るの? これからの目標は?」と嫌らしく聞いてみると、「100マイル以上のレースに挑戦」と、答えてくれました。さらなる高みを目指す、その向上心に、ただただ感服した次第です。

 

 
ゴール直後の木村さん。履いているのは、自ら開発を手掛けた「ザ・ノース・フェイス」のウルトラレプルージョントレイル。生産現場に常駐して、納得のいく靴をスピーディに作ることをモットーにしているとか


    



すぎえ・じゅんぺい 本社編集部所属。編集プロダクション勤務の後、03年に入社。大手アパレル、服飾雑貨メーカー、百貨店担当を経て、現在はスポーツ用品業界を取材。モットーは『高い専門性と低い腰』『何でも見てやろう』

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