スキー場は無地ウェアで溢れていた!(杉江潤平)

2019/03/18 18:00 更新


皆さん、こんにちは! 突然ですが先日、スキー場でスナップをしてきました!

90年代前半のスキーバブル期、「繊研新聞」では毎シーズン、スキー場に記者を派遣し、スキーヤーをスナップしていました。その年の流行のウェア、ブランドなどを調査し、紙面で紹介していたのです。ところが、マーケットの縮小と参加人口の減少に伴い、同企画も無くなり、読者からも忘れ去られてしまいました。

しかし、ピークからすれば大幅に縮小したとはいえ、根強い愛好家はいますし、スキーヤーにウェアを長年提供しているメーカーと小売りは健在です。そしてスナップ情報も少なからず求められているのではないか…! そんな想いで、スキー場スナップを敢行することにしました。


今回お邪魔したのは、新潟県・苗場スキー場。足を踏み入れるのは実に28年ぶりです。

スキー場を見た第一印象は、「柄物がない!」ということ。特にスキーヤーは無地のシンプルなものばかりで、スキーバブル期に見られた派手なものはほとんど見当たりません…!!

さらに着こなしは、ブランド物の上下セットアップではなく、単品のレイヤリングが圧倒的。しかも、必ずしもスキーウェアを着ているわけではありません。



こちらの女性は、「ザ・ノース・フェイス」のマウンテンジャケットにダウンを連結して防寒性アップ。パンツは「ゴールドウイン」のスキーウェアを履いて、「上がおとなしいぶん、下を明るくした」そうです。おしゃれ。

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こちらの女性は上下とも「ホグロフス」で統一していますが、ジャケットはなんと山登り用のレインジャケット。その下には同じブランドのフリースを着て、暖かくしています。

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街中で見るようなデザインのウェアを着る人もいました。

早朝初滑りイベント「ファーストトラック」で遭遇したこちらの男性は、トップの見た目は正にコーチジャケットです。しかし、外側に「ゴアテックスインフィニウム」、内側に透湿防水・保温の「ポーラテックアルファ」を使っているので、機能的に問題はないとか。ブランドはゴールドウイン。

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シルエットは細身でスタイリッシュなものが増えていました。こちらの家族のパパ(左後ろ)が着るのは「アークテリクス」。ママは「ポワーブル・ブラン」のジャケットに「ピークパフォーマンス」のパンツ。どちらもカッコいいです!(ちなみに中央の男の子は「モンベル」)

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こちらの女性スキーヤーは、別々に購入した上下をさらりとモノトーンコーデ。ジャケットは「パタゴニア」、パンツは「ロキシー」。

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無地単品コーデが主流の中、スノーボーダーを中心に、個性的な柄物を着る人がいました。


例えばこちらの男性が着ている、「アディダス」のワンピース。スノーボーダーの國母和宏氏とブランドが数年前にコラボしたモデルです。カムフラージュ柄に3本ラインが目を引きますね。ゴーグルバンドやリュック、ブーツ、ボードの赤も利いています。

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こちらの男性が着用していたのは、「ブルーブラッド」のセパレートウェア。ブランド名を大きな筆記帯で記し、デザイン化しています。「友人とはぐれても見つけやすい」と彼。

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もちろんスキーヤーでも個性派はいました。今では珍しくなったワンピースを着ていたこちらの男性は、「スキーバブルの頃によく着ていたワンピースをもう一度」と、今年購入したのが「ピクチャー・オーガニック・クロージング」。雪山がプリントされた芸術的かつ斬新な柄です。男性はフリースタイルスキーの大会でエアリアル種目の優勝経験者とのこと。「今のスキーウェアは画一的で地味ですね~」と話していました。

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全体として、ストリートトレンドがスキーウェアにも反映している印象を受けました。特にザ・ノース・フェイスが多かったです。また、スキーウェア然としたものを着るのではなく、気候や好み、滑るシーンに応じて重ね着をしたり、上下の組み合わせを変えたりして、着こなしを柔軟に変えていることも分かりました。

リポートは以上。参考になれば幸いです。


すぎえ・じゅんぺい 本社編集部所属。編集プロダクション勤務の後、03年に入社。大手アパレル、服飾雑貨メーカー、百貨店担当を経て、現在はスポーツ用品業界を取材。モットーは『高い専門性と低い腰』『何でも見てやろう』



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