【記者の目】和装の生産基盤が極端に縮小 業界の対応が急務に

2024/06/17 12:30 更新有料会員限定


きものや帯の縫製を国内でいかにまかなうかが重要な課題だ

 和装の生産構造が大きな転換期を迎えている。市場がピークを迎えてから半世紀にわたり縮小が続いてきた業界だが、コロナ禍による自粛期間からの回復を図ろうという段階で、生産基盤の極端な縮小というかつてない急激な変化を迎えている。それは納期の遅れにとどまらず既存の加工や技法の喪失などにもつながりかねず、業界の対応が急務となっている。

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人手不足が深刻化

 市場規模は70年代初頭をピークに減少が続き、数年前には3000億円を割ったと見られている。それに合わせて産業規模も業界も縮小してきた。京友禅京小紋生産量調査によると、21年の反物の生産量は約26万4000反で、ピーク時の2%を割っている。西陣織工業組合の主力である帯地の生産数量も、22年でピーク時の3.8%まで減少。各種織機の台数もピークの1割を切っている。これだけ縮小した規模で生産を担ってきた業界だが、大きな変化の局面を迎えている。業界全体の人手不足が極めて深刻になってきた。

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