きもの総合加工業各社は、アフターケア需要の増加や、コスト増や円安を受けた加工賃の値上げ要請などで、収益に一定の回復が見られた。専門店でのアフターケア受注会の開催やウェブ経由の受注など、窓口の拡大で受注機会を増やす取り組みも奏功した。しかし急激に縮小しつつある海外縫製と国内縫製の問題など、縫製の再構築に関しては待ったなしの状況と言える。
業績は改善傾向
加工業各社の業績は回復傾向にある。程度の差はあるが回答企業の売り上げはいずれも前年を上回った。業績回復に要因としては縫製工賃の値上げが大きい。コスト増や円安が海外縫製を主軸とする多くの加工業者の利益を圧迫してきた分、この間の値上げの成功でようやく一息ついたというところだ。また中には、アフターケアやリフォームの受注を積極化し、取引先は減ったが、既存先とのパイプ強化で19年度の水準まで売り上げを回復した企業もある。
一方、きもの縫製の受注量では前年を下回った企業が複数あった。専門店の集客や新反販売はまだ回復の途上にあるため、専門店が本格的に業績回復を軌道に乗せられるかがカギとなりそうだ。
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