【記者の目】欧州に学ぶテキスタイル産業 苦戦する国内産地とのギャップはどこに?

2023/05/08 15:00 更新有料会員限定


生地フォーラムの見せ方にもこだわる国際生地見本市プルミエール・ヴィジョンパリ(写真=新村真理)

 コロナ禍は過ぎつつあるものの、コスト増など依然として厳しい環境が続く国内テキスタイル産業。特に機屋や染工場などの産地企業は、短繊維織物を中心に苦戦が続いている。一方で、2月に開かれた欧州素材見本市では、有力メーカーを中心に「22年度はだいぶ回復した」との声が多く聞かれた。このギャップはどこから来るのか。

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地元で追い風に乗る

 業績が回復した欧州有力メーカーの多くが口を揃えるのが、「ラグジュアリーブランドへの販売の伸び」だ。地元に世界的なアパレル企業があるのは彼らにとって大きな強み。世界的なサプライチェーンの混乱や、生地の輸送に伴う二酸化炭素排出量の削減といった観点からも、地産地消の動きが進んだ。テキスタイルメーカーとその出口としてのラグジュアリーブランドが、ファッション産業の両輪として機能している様を見せつけられた。

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