国内の製靴産業で人材不足が切迫した課題となっている。一大産地の浅草は、職人の高齢化とともに、革靴の消費が激減し、分業で成り立っていたサプライチェーンは徐々に悪化。さらにコロナ禍で職人が引退し、産業が成り立たない状況も浮き彫りとなった。中長期的に持続可能な物作りを構築していく上で、若い世代をどう靴作りに引き込んでいくか。産地や産業を挙げて人材投資に向き合わなければならない。
分業からチーム制に
日本の製靴産業は、工程ごとに特化した職人が連携する分業制で成り立っている。大きなメーカーは、外注先として1足当たりの工賃で稼ぐ職人に支えられて靴を量産してきた。コロナ禍で一番の痛手は、「受注減が引き金となり、高齢化が進んでいた製甲職人が半分近く引退してしまったこと」と言われている。昨秋冬以降、消費が回復しても、多くのメーカーは受注に対応できない状況に陥った。
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