ウール産業が、羊の福祉について発信を強めている。このほどウールの国際組織、国際羊毛繊維機構(IWTO)が京都で開いた総会で、初めて「羊の福祉」について小冊子を配布した。産毛各国の牧羊状況、動物愛護に関する法整備などの現況を明らかにした。動物愛護の考え方が浸透してきたなか、ウール産業全体として羊の飼育にも着目した。
(浅岡達夫)
IWTOは世界動物保健機関(WOAH)と協定を締結し、「動物福祉に関する科学的な見解を常に更新し透明性のある説明をしたい」とする。動物の飼育について①飢餓、栄養失調、渇きからの自由②恐怖と苦痛からの自由③物理的及び熱からの自由④痛み、けが、病気からの自由⑤通常の行動パターンを実現する自由――の自由を推進したいとする。
オーストラリアは動物愛護について、州ごとにガイドラインを設けている。連邦政府はその実行をサポートする。担当行政機関は、ニューサウスウェールズは一次産業省、ビクトリアは農業省、クイーンズランドは農水省などと決まっている。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!