伊藤忠商事の「フィラ」事業が好調だ。過去最高を更新し続けた事業規模は18年(1~12月)、前年比15%増の270億円。目標を300億円としてきたが、「今年は300億円を通過点」とし、ブランド価値の継続的な向上に取り組む。
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伊藤忠は06年の日本でのマスターライセンス権取得以来、若年層への露出などマーケティングを強めてきた。14年には事業規模が200億円に達し、15年214億円、16年227億円、17年235億円と伸ばした。国内カジュアル市場が苦戦するなかの健闘で、18年は伸び率が15%まで急伸、7~12月には26%増になった。カジュアルウェアで一部大手取引先への供給が17年で終了した事情も踏まえると、「実質は15%以上にインパクトのある数字」という。
特にけん引したのが、丸紅フットウェアのシューズやヤング産業のバッグ・革小物、ヤギの子供服など。シューズは主力モデル「ディスラプター」をはじめ、世界的な人気で日本にも波及。有力専門店との協業も活発化した。バッグ・革小物は専門店販路が拡大、子供服とともに「協業の話が多い」。
サブライセンシーは15社19アイテム。丸十コーポレーションのレイングッズがスタートし、「もう1社新たなカテゴリーを考えている」。認知度は若年層を中心に高いが、引き続き発信を強める。19年春夏から新木優子さんをイメージキャラクターに起用、「インスタグラムのフォロワーも多く、SNSでの波及効果にも期待」している。