アイスタイルは6月8日、23年下半期の化粧品トレンドを予測する「アットコスメベストコスメアワード2023下半期トレンド予測」を発表した。キーワードは「鼻意識向上」「#無加工主義」「スパウトパウチ」「スキンケア欲再燃」「イマーシブ消費」の五つとした。
化粧品市場はコロナ禍が落ち着き、外出やマスクを外す機会が増えてきたことから上半期に入って「脱『マスクにつかない』」「メイク熱復活」の傾向が出ていることを踏まえてキーワードを選んだ。
鼻意識向上はマスクを外して若年層を中心に鼻に関心が向いており、鼻ケア、鼻メイクの商品人気が高まると見た。#無加工主義は、ここ数年、SNS投稿用に写真加工アプリの利用が広がっていたが、最近では無加工のノーマルカメラでの撮影が増えていることを背景としたキーワード。コスメでもコロナ下で加工写真のような仕上がりの商品が普及したが、マスクを外して加工できないリアルな自分を魅力的に見せたいというニーズが上昇し、「ノーマルカメラでも盛れる」ことが化粧品の評価ポイントになってくるとみる。
スパウトパウチはキャップの付いた樹脂製の柔軟で再封性、自立性のあるチューブ型容器。スキンケア商品を中心にスパウトパウチが増えており、最後まで使いきれる、ごみを減らせる、残量がわかりやすいなど実用性やエコなどからさらに増えていくと予想した。スキンケア欲再燃はメイクが重視される中で、改めてスキンケアを大事にする傾向が強まっていることだ。ポイントはマスク荒れや肌荒れ対策から輪郭などのリフトアップ、ハリ、毛穴対策など肌をアップデートするケアに移っているとした。
イマーシブ消費はリアル店舗での体験型消費で、店舗でコスメの体験に没入することで楽しく購入する流れが出てきていることを踏まえた。今春、東京に「ラメゾンシゲタ」がオープンするなど五感で体験できるコスメ店が増え始めているとして、同社でも旗艦店「アットコスメトーキョー」を期間限定でコスメブランド「ケイト」の屋号に替えてイベントを行い好評だった。6月28日から韓国コスメの11ブランドを集めてアモーレパシフィックジャパンが全館を期間限定店にするイベント「アモパシフェス」を14日間開催する。
同社では、これら五つのキーワードで下半期のコスメ商戦に対応していく。アットコスメトーキョーは4月売り上げが4億5000万円を超える過去最高を記録しており、今後の消費意欲の回復やインバウンド(訪日外国人)の増加などから、さらにコスメ消費が上向いていくとみている。