大手百貨店の6月売上高(既存店ベース、速報値)は4社が前年同月実績を下回った。免税売上高が3、4割減となったことが響いた。前年に大きく伸びた反動や円高傾向が影響し、ラグジュアリーブランドなど高額品が不振だった。国内客売り上げは、ほぼ前年並みとなった。
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三越伊勢丹は、伊勢丹新宿本店が10.6%減、三越日本橋本店が4.7%減だった。免税売り上げが38.6%減で、ハンドバッグなど高額品が振るわなかった。国内客売り上げは1.5%減で、新宿本店が1.4%減、日本橋本店が0.9%減となった。
高島屋は、玉川店が8.6%増、日本橋店が3.5%増だったが、インバウンドの売り上げ比率が高い店舗は苦戦した。京都店が6.3%減、大阪店が5.7%減、新宿店が5.3%減だった。免税売上高は35.9%減の一方で、国内客は3.9%増となった。
大丸松坂屋百貨店は、大丸京都店が14.8%減、神戸店が8.5%減、心斎橋店が6.7%減、松坂屋名古屋店が2.6%減だった。大丸梅田店は9.8%増で、大阪・関西万博の効果で訪日外国人客が増加し、アニメ、キャラクターゾーンが好調だった。免税売上高は31.4%減、国内客は1.3%増だった。
阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が18%減で、免税売上高が約5割減少したことが響いた。宝飾品、時計など高額品が苦戦した。阪神梅田本店は8.2%増。改装効果で、ファッションとライフスタイルの商品領域が伸ばした。
近鉄百貨店は、あべのハルカス近鉄本店が9.7%減で、食品売り場の改装工事や前年に大幅増だったインバウンドの反動減が影響した。