伊勢丹新宿本店は9月1~14日、本館1階でアートディレクターの千原徹也氏が主宰するプロジェクト「キストーキョー」と連携し、東京発の老舗ファクトリーの協業品などを販売する期間限定店を開く。20年9月に新設した服飾雑貨・小物の自主編集売り場の1周年を機に、プロモーションを通じて新規客の来店や売り場の知名度の浸透を狙う。
(松浦治)
協業品はTシャツ、帽子、古着など東京ファクトリーの物づくりを生かして編集した。久米繊維工業のTシャツ、スウェットは、芸能人やアーティスト、インフルエンサーのメッセージをプリントした。トーキョーハットのウールフェルト製ハットは千原氏がデザイン監修した。ビンテージショップのリメイク品、テーラー東洋のスカジャン、前原光榮商店の洋傘など現代の感覚にアップデートした逸品が揃う。
期間中は店頭のほか、ほぼ全ての商品がECで購入できるようにした。店頭でのシルクスクリーンや刺繍の実演、アーティストとのインスタライブなどを実施する。
自主編集売り場はデイリー雑貨の「イセタンシード」、シーズン雑貨の「イセタンリーフ」で、各フロア・売り場とつながる全館のガイドマップとして立ち上げた。各フロアを回らなくても旬のアイテムが適時に購入できる買い物体験の提供を目指す。20年度下期の売り上げは予算比5%増で、既存の雑貨だけでなく、サニタリーなど様々な商品領域を取り込んだ品揃えが奏功した。
自社カードの購入客のうち45%がコロナ前(18、19年度)に本館1階での未購入客で、既存顧客も35歳以下が前年比3倍に達するなど新規客や既存若年層の獲得に結び付いた。イセタンシード、リーフを起点に全館の買い回りが高まった。
今回のプロモーションは、「ファッション、ストーリー、サステイナブルの三つを切り口にキュレーションし、東京を元気にしたい」(小林嵩バイヤー)と話している。
