三越伊勢丹ホールディングスは5日、グループ企業理念の実践活動の発表会を開き、「職場の約束」運動の16年度優秀賞を選んだ。顧客との信頼関係を深めるため、日々の仕事の中で創意工夫し、より良い顧客サービスの提供、顧客価値の最大化を目指す。
同グループのスタイリスト(販売員)6万5000人をはじめ、部門ごとに身近な約束を決め、業務フローの改善で、CS(顧客満足)を通じた企業価値の向上に取り組んだ。
営業部門の各売り場、後方スタッフ部門の担当ごとにチームを編成し、成果を年2回発表する。16年度は1165チームが参加し、優秀賞に国内8、海外2の計10チームを選び、好事例や成果を報告した。最優秀賞は三越千葉店の顧客、地域との絆づくりの取り組みを選んだ。3月20日に閉店したが、33年間の商品、サービスを通じた顧客との信頼関係をベースに、様々な側面で顧客とつながることの大切さを示した。百貨店の地域密着の在り方の課題を認識し、全社で共有化した。
17年度は「感動レベルのもてなし」を実現するために、変化に対応し、基本を変えることに挑む。杉江俊彦三越伊勢丹ホールディングス社長は「これまでの基本や既成概念では、お客様に満足してもらえない。お客様ごとに基本を変えるとともに、私たちのマインド、働き方を変える」と顧客起点で構造改革を進めることの重要性を強調した。
併せて、優秀販売員認定制度「エバーグリーン」の表彰式を開いた。取引先からの派遣販売員を含む全グループの販売員を対象に、商品知識、販売技術、ホスピタリティーなどを基準に選び、16年度は71人を選出した。12年度から認定、表彰制度を開始し、累計351人となった。
杉江社長は「我々の最後の強みは人の力であり、エバーグリーンはその最大の強みである。百貨店の販売サービスは競合に勝つために、ますます重要になっている」と話した。
最優秀賞は三越千葉店の顧客、地域との絆づくりが受賞