Cチャンネル×マッシュBLセミナー

2016/06/13 18:56 更新


Cチャンネル森川亮社長×マッシュビューティーラボ椋林裕貴副社長 

ファッション業界こそSNSを取り込め リアルな感動や体験が最も知りたい情報 @JFW‐IFFセミナー

 

 元LINE社長で、15年に女性向け縦長動画メディア「Cチャンネル」を立ち上げた森川亮氏と、ファッション業界のトレンドをリードするマッシュホールディングスでマッシュビューティーラボとマッシュスポーツラボの副社長を務める椋林裕貴氏。4月に開催された合同展、JFW‐インターナショナル・ファッション・フェア(JFW‐IFF、繊研新聞社主催)での対談ではファッションにおけるSNS(交流サイト)の重要性と可能性が改めて示された。

 

セミナー森下氏×椋林氏2

 

■共感が口コミで広がる


 森川 今、世の中全体が、商品やサービスを押し付けられるのではなく、共感するスタイルに変わってきている。売り場も一方通行ではない、サードプレイスのような居心地の良さが大事になっている。

 椋林 それを伝えやすいのがSNS。当店は売りつけるような接客はしないし、店での感動が口コミで広がっていく。例えばツイッターで「(マッシュグループが運営するコスメショップの)『コスメキッチン』に住みたい」と書いてくれた子もいた。また、店舗ごとにSNSでの発信も行っているが、商品に日々接している販売スタッフのリアルな感動や体験こそ、消費者が最も知りたい情報なのではないか。

 森川 アパレル業界でSNSを活用する上では、本音を伝えているというリアリティーと、エンターテインメント性が大事。ショップ側も、例えば投稿用に撮影スペースを作るなど、参加型に工夫することがファン作りになる。

 

森川氏
森川氏



 椋林 マッシュグループの中では、「スナイデル」のインスタグラムでの伸びが大きい。中国の「ウェイボー」も効果を上げており、フォロワー数は20万人以上。ここでショップリニューアルなどの情報を流すと初日にこぞって来店してもらえ、購買につながっている。SNSを通じて、もっとライブ感を伝えたい。そのために今後必要なのが動画。


■メッセージのある動画を


 森川 Cチャンネルは、スマートフォンで見ることを前提に縦長で動画を作っている。世界全体で今、縦長動画の流れがきている。例えばタイも動画ブームで、皆、自撮り動画をアップしている。SNSの大手各社も動画の発信に力を入れている。ただし、始めるならちゃんとした動画を作る必要がある。

 椋林 大事なのはコンテンツであり、そこで何を表現するか。良い商品であるのは大前提として、それを手がけた側の思いなど、アナログな部分も伝えたい。動画などの再生回数アップが、店舗、ECとも連携して購買意欲につながれば。

 

椋林氏
椋林氏



 森川 「どうしたらバズる(拡散する)動画が作れますか」という質問はよく聞く。でもそこにメッセージがないと意味がない。また、ユーチューブで動画を流す企業も多いが、これは若年層にはバズるが、彼らは購買層ではない。購買につなげるまでのステップが大切。Cチャンネルは昨年末から再生回数がぐっと伸び、16年3月は月間1億回を突破した。メークやヘア、料理などのジャンルがあるが、ハウツー系の情報を増やしたら再生回数が伸びた。役立つ情報であることもポイント。

 椋林 デジタルの取り組みを進める上では、経営者や幹部層の意識も変えないといけない。きちんと専門の部署も作り、日本と海外、衣、食、住などをトータルで発信していきたい。

 森川 世界的にファッションのEコマース化が進んでいるがブランドの告知のためにポップアップで3カ月だけ店を出し、後はオンラインに誘導しファンを作るケースもある。そんな中で、デジタル動画広告に関する問い合わせも急増している。ただ日本でこうした流れを理解している企業はまだ少ない。マッシュさんはデジタルもアナログも経験のある人がいて、速いスピードで変えようとしている。両者で、新たなプロジェクトも考えているところだ。

 

セミナー最後

 



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