注目のCOOL WOMANたち! 蜷川実花と…(宇佐美浩子)

2015/02/12 14:25 更新


時を遡ること2007年。映画「さくらん」で監督デビューを飾った写真家、蜷川実花。時を同じくして「senken h」カバーフォトのコラボが実現した。蜷川ワールド満開のその表紙は、今なお鮮明に記憶している。

また、この春夏から、ファッションブランド「M / mika ninagawa」がデビュー!と、その多才ぶりは、まさに彼女の作品同様、極彩色と呼ぶにふさわしい。



 Self-image」2013 ©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery



 そんな才能豊かな蜷川実花の個展が現在、「原美術館」での「蜷川実花:Self-image」(~5月10日)をはじめ、「8/ART GALLERY/TOMIO KOYAMA GALLERY」での「noir」(~2月23日)ほかで開催されている。



©hirokousami


 ちなみに原美術館で行われた記者会見でのコメントが実に印象的。

「今回は特に真面目に本気で取り組んだ展覧会と言えます。おそらく『あそこで自分が変わったね』という時がやってくる。そう思っています。チラシも16種類制作しましたし!(笑)」。

なお、会場入り口に飾られているのは、高校1年生の時にカメラの中古店で購入し、5~6年ほど愛用したという「MINOLTA X-700」。かつての彼女を勝手ながら、イメージしてしまう。



©hirokousami

 

 次なるヒロインは、キーラ・ナイトレイ。

新作「はじまりのうた」でシンガーソングライター役の彼女が、なんと実際にギターを弾きながら歌声を初披露。思えば夫は、UKのロックバンド、クラクソンズのジェイムズ・ライトン。彼女にとって音楽は、ライフスタイルにおける必要不可欠な要素といっても過言ではないだろう。

またこれまでにシャネルのフレグランスのCMに登場するなど、モードの香りが似合うのも彼女の魅力。本作ではGAP以外はほぼノーブランドというcasual&lovelyな着こなしのキーラ・スタイルが、ワードローブの参考になりそう。

さてここで本題のストーリーの告知を。

私生活も仕事も最悪な状況にある音楽プロデューサー(マーク・ラファロ)が、ライブハウスで耳にしたシンガーソングライター(キーラ・ナイトレイ)の歌に心が躍る。

彼女もまたミュージシャンとして成功を遂げた恋人に裏切られ、傷心の身の上。夢はあるが資金の無い二人が、物語の舞台となるニューヨークの街角をスタジオに、極低予算なレコーディングを開始。その先の展開はぜひスクリーンで!

なお本作でスクリーンデビューを飾った人気グループ「マルーン 5」のボーカリスト、アダム・レヴィーンがヒロインの恋人役を好演し、監督のジョン・カーニーもまたアイルランドのロックバンド出身という、まさに音楽と共にある注目の1作だ。


 
2月7日より、シネクイント、新宿ピカデリーほか全国公開
©2013 KILLIFISH PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED


そして最後に登場するクールウーマンは、ジェシカ・チャスティン。

主演のみならずプロデューサーとしても名を連ねる、男女それぞれの視点で描かれた2本構成によるユニークなシネマ『ラブストーリーズ コナーの涙 | エリナーの愛情』。

 

 

 

かの名門、ジュリアード音楽院を卒業したばかりのジェシカが10年以上前に本作で初の長編監督を務めるネット・ベンソンに出会い、遂にその夢が結実したという背景もまたロマンチックだ。

物語の舞台はニューヨーク。「プラダ」2014秋冬メンズコレクションの広告キャンペーンに登場していたのも記憶に新しいジェームズ・マカオヴォイ演じるコナーと、ジェシカ演じるエリナー。

この1組のカップルの別れ、そして再生にまつわる心模様を、それぞれの視点で描くことにより、観る者たちは男ゴコロ、女ゴコロを垣間見ることになる。と同時に自身の日常と重ね合わせてみたりして。

なお、視覚的にも細部へのこだわり度満点の本作はニューヨークのスタイリッシュな空気感が伝わる色、小道具、ファッションのテイスト。さらに音楽にも格別なスパイスが効いている。というのも各シーンの小道具を利用して創作されたオリジナル楽器によるサウンドなのだとか。お聴き逃しなきよう!

 

 
2月14日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開予定
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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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