活力アップなラルフ&ダイアン!?(宇佐美浩子)

2019/03/14 06:15 更新


3月は3日の「ひな祭り」に始まり、8日の「国際女性デー」とつづくWomen’s Monthとも思える。

時代と共に女性たちのライフスタイルも多様に変化を重ねているかのように見受けるのだが、ひょっとすると、各自が持つ「スタイル」というのは、時代や世代とは無関係なのかもしれない?などと思うこの頃だ。

そこで今回の「CINEMATIC JOURNEY」のテーマは、シネマ目線でチェックした「活力アップなラルフ&ダイアン!?」

というわけで、まずは現在公開中の「シンプル・フェイバー」から!

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上記のような光景は、ママたちにとっては日常の一コマかもしれない。

アナ・ケンドリック演じる左のママは、ニューヨーク郊外に住むDIY好きなシングルマザー。一方、ブレイク・ライブリー演じる右のママは、いかにも「ファッション業界人」という雰囲気が、言葉なくして伝わってくる。

「ラルフ・ローレン」のネイビーの3ピーススーツに、「メゾン・ミッシェル」の帽子をコーディネートし、雨の中でも颯爽と歩く姿は、言わずと知れたファッションアイコンのライリーだからこそ、バシッと決まるスタイリングだ☆

そして物語は、この二人の同級生の息子を持つ彼女たちがミステリアスな関係の「ママ友」へと変容を遂げる、その幕開けに当たるシーンでもある。


ちなみに、上下の画像何れもマニッシュなスタイルのライブリーについて、衣装を担当したレネ―・アーリック・カルファスいわく、

‟パワフルで戦略家みたいな雰囲気を出したかったから。この物語は、人は見た目ではわからないということを描いているから…”(本作資料より一部引用)

一見したところ全く正反対の2人に見えるのだが、彼女の分析によると内面的には共通点が多いらしい。ともあれ、その全てはスクリーンの中に!


さて、すでに本作は公開中ということもあり、あえてストーリーについては割愛させていただくのだが、衣装に関しての資料的話題をもう少しシェアしたく。

なぜなら上記のパンツスーツはいずれも「ラルフ・ローレン」、また本作の舞台がニューヨークだからなおさら納得!

読者の中にも記憶を共有できる方がおいでかとは思うですが…

どういうわけか、少女時代からウディ・アレンの作品になぜか魅かれることが多く、時代や世代は異なるものの、本作のテイストがどことなく1977年のウディ・アレン監督・脚本・主演作『アニー・ホール』が脳裏をよぎった。

なぜなら、主演のウディ・アレンとダイアン・キートンが彼の服を着用しブームとなったことに加え、この映画のスタイルがとても斬新だったからだろう。

そして、またラルフ・ローレンさんの下記の言葉をブランドのサイトで目にし、

“私が手がけているのは、ライフスタイルそのもの”

瞬時にうなずかずにはいられなかった。

最後に余談ながら下記、ライブリーの「赤い」ソールのドレスシューズは、その色から即座に回答者続出かと思うが、もちろん「クリスチャン ルブタン」だ!


 『シンプル・フェイバー』

TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開中

©2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.


シネマ目線でチェックした「活力アップなラルフ&ダイアン!?」がテーマの「CINEMATIC JOURNEY」。

続いては、今まさに注目すべきパワフルウーマン「RBG」がヒロインの『ビリーブ 未来への大逆転』。


1933年3月15日、ニューヨーク・ブルックリン生まれのRBGこと、現役の最高裁判事として活躍中のルース・ベイダー・ギンズバーグ。

本作資料によると、JFK=ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ、MLK=マーティン・ルーサー・キング・ジュニアといった、3つのイニシャルのみで知られる著名人の一人、なおかつ唯一の女性だそう。彼女の偉大なるキャリアの幕開けを飾るストーリーが本作の軸となっている。

ちなみに、アメリカの最高裁判所判事は終身制だそうで、現在9名(内3名が女性)おり、その中でも最高齢とのことだ。


さて、そんな彼女がヒロインとあり、リサーチを重ねる中、彼女の生きる様が反映されているかの如く美しいルックスに感動!そこでラッキーにもファッション関連の興味深い情報を宣伝チームよりシェアいただいた。中でも印象深い衣装担当のアイシス・マッセンデンのコメントのいくつか下記に。

“時代の輪郭は髪型から決まって、それから服が決まる。服だけでは十分ではないの。服と、髪型、そしてクローズアップの時はメークも”
“キャラクターのクローゼットに入って行って服を選び、その日にこれを着せたっていうような感じにしたかった”
“ギンズバーグ判事は生涯特定のスタイルを持っていたけれど、この映画の焦点はそのことではない。だから彼女に忠実でありながら、その時代に忠実なものを作りたかった”


そしてまた上記の写真から「もしや…」と思われた方もおいでかもしれないが、本作のためにダイアン・フォン・ファーステンバーグがデザインしたというクラシック&エレガントな衣装も!

理想のパートナーと生涯現役で続ける仕事に出会い、そして常に独自のスタイルを持つ女性RBGに“ Happy Birthday♪”


『ビリーブ 未来への大逆転』

3月22日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

©2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.


宇佐美浩子の過去のレポートはこちらから


うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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