コロナ禍で転機の北陸産地 消費者目線で開発

2021/06/24 06:27 更新有料会員限定


 化合繊テキスタイルを主力にする北陸産地が転機を迎えている。昨年のコロナ禍で織・編物や染色加工、糸加工まで用途や業種を問わず生産に大きなダメージを受け、衣料用を中心に今も完全な回復は見通せない。産地企業はマスクやアパレル製品のDtoC(メーカー直販)で自社の魅力を発信しつつ、消費者目線に立った開発を強める。産地と組む商社も資材用途の新規開発などで産地の進化を後押しする。

(中村恵生)

緩やかに回復も、厳しさ

 北陸産地は国内の化合繊テキスタイル生産の大半を占め、スポーツ・アウトドア、ファッション、フォーマル、裏地、民族衣装、生活・産業資材といった幅広い用途で世界的に競争力を持っている。しかし昨年のコロナ禍の影響で生産量が大きく減少。織物でみると、20年は3県(福井、石川、富山)計で前年比23.4%減の4億747万平方メートルとなり、近年ではリーマンショック後の09年に次ぐ悪さだった。月別では昨年6~8月を底に緩やかな回復傾向にあるものの、直近公表データの今年3月時点で織物が約20%減など依然、厳しさが続く。

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