ゴールドウインが、オリジナルブランド「ニュートラルワークス.」(NW)のブランディングを強化している。22年3月に初のオリジナルコレクションを出したのち、ユニフォームや寝具事業への参入、廃棄漁網のリサイクルに取り組むリファインバースとの協業などを発表、ブランドの認知向上につなげている。ブランド化2年目を迎える来期(24年3月期)は、イベント開催を強化し、コミュニティ作りを急ぐ。
NWは、「ココロとカラダのバランスを整える」をコンセプトに16年に東京・外苑前に店舗を構えたセレクトショップ業態だ。その後、スポーツライフスタイル化の広がりを受けて、ブランド化を決定。21年に事業部を立ち上げ、消臭テクノロジーを取り入れたウェアブランド「MXP」を統合し、22年春にブランド初のオリジナルコレクションを発売した。
6月には「人生の大部分を占める仕事着をもっと楽しく、意義あるものに」(大坪岳人ニュートラルワークス事業部長)と、ユニフォーム事業に参入。既に今期は大型案件を10件弱手掛けている。ブランド化1年目の売り上げは、地方でコンスタントに展開したポップアップショップ施策などが当たり、旧MXPなどを含めた昨年実績と比べ、約20%増と伸ばしている。
現在、直営店は日比谷と恵比寿に構えるほか、「ザ・ノース・フェイス」の自主管理型売り場約60店内にアンダーウェアや靴下などを展開。セレクトショップや都市型スポーツ専門店などへの卸売りや自社ECでも販売している。客層は男女半々。販路別売り上げ構成は、直営店が6割、ECが2割、卸売りが2割だ。
この間注力してきたのは、ブランドの個性を打ち出した仕掛けの連打(下記の表参照)。「ブランドコンセプトの伝えづらさ」(大坪氏)を補うため、話題作りに力を入れ、認知向上につなげるためだ。
仕掛けのキーワードとしたのは、サステイナビリティー(持続可能性)と睡眠。サステ分野では「環境インパクトが小さくてもユニークで、今後注目度を高めるきっかけとなるような取り組み」(大坪氏)に着目。麻炭やビール粕、廃棄漁網などを再利用した製品を開発・発表した。バランスを整えるには睡眠も重要と、10月にはスリープコレクション、11月にはマットレスを発売。旅館などと組み、空間提案にも踏み込んだ。
22年6月から本格的に始めたユニフォーム事業は、環境に配慮しながら活動する企業や団体、スポーツや健康に関係する活動をしている企業や団体と取り組む。リサイクル素材など、環境配慮素材を積極的に採用し、できる限り無駄の少ない製造工程で作り、長く使えるよう耐久性とミニマルなデザインを追求している。
今後は売り場を広げつつ、ランニングやヨガなどのイベントを小まめに企画し、コミュニティ形成に努める。4月には阪急うめだ本店に百貨店初のインショップ(常設)を構えるほか、ヨガやランニングといったテーマで店舗ごとにイベントを開催する。23年度も売り上げで20%増を目指す。
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