エゾシカを生かした感性豊かな物作りに触れてみませんか――北海道在住のクリエイターや物作りに関わる企業の協業プロジェクト「えぞ鹿の始まり」が、伊勢丹新宿本店でデビューした。15人の作り手がチームを組み、第1弾の展示販売イベントを11日まで開いている。
店頭で目に飛び込んでくるのは、きれいなインディゴブルーの革を使ったウェアや椅子。プロジェクトを主宰するファッションデザイナーの伊東恵さんは、約4年前に害獣として駆除されるエゾシカの革の活用を依頼され、野生ゆえの表皮の傷をダメージデニムに見立てて再生する手法を思いついた。縁あって、カイハラの貝原良治代表取締役会長が協力してくれ、「ファッション素材として使いやすい、美しい色合いを実現して頂いた」という。一次加工のなめしは、北海道・大沼の若松毛皮が行い、ウェアに使われる革の裏側には墨田革漉工業がプリント加工を施す。
ほかにも、エゾシカの角を使った照明やアクセサリー、毛皮を使った椅子など美しいプロダクトが並ぶ。プロジェクトを推進する中、道内在住の作家やアーティストが紹介などで集まってきた。「私たちにとっては身近な素材。今後も、より多くの地元の作り手に参加してもらい、北海道で育まれるクリエイションを発信する機会を広げていきたい」(伊東さん)という。
イベントの導入に携わった三越伊勢丹の橋爪淑子バイヤーは「現地の工房を訪れ、大自然と一体化した創作活動や生活に接し、素材としての面白さに興味を引かれた」と話す。
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