経済産業省と公正取引委員会、総務省は5日、ECやコンテンツ配信サービス、SNS運営企業など「デジタル・プラットフォーマー」に関するルール整備を目的とした「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」の中間論点整理案を公表した。両省、公取委のホームページなどを通じて案に対する意見を公募するとともに、今月中にデジタル・プラットフォーマーの取引先を含む事業者のヒアリングを行う。それらをもとに、年内に基本原則をまとめ、法整備の検討も含めて「具体的措置を早急に進める」方針。
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同検討会は6月に閣議決定した「未来投資戦略2018」に沿って、競争政策、情報政策、消費者政策などに関する学識経験者を中心に7月に設置した。デジタル・プラットフォーマーは事業拡大が加速し、日本経済における位置付けがますます高まる一方、不公正な取引条件やデータの寡占、個人情報漏えいなどの問題点が指摘されており、「社会的責任に応じたルール作りが必要になった」(経産省商務情報政策局)のが背景だ。
主な論点案は7項目。経産省が実施したアンケート調査で、プラットフォーマーの取引業者の多くが「プラットフォームの活用のメリットを感じる一方、運営や契約・取引慣行について不満がある」と回答したことも受け、「透明性及び公正性実現の必要性」を挙げた。「取り組みのあり方」として、独占禁止法40条の一般調査権(強制調査権限)の活用やプラットフォーマーと利用者間の取引慣行に関連した規律の導入の検討などを提起した。
プラットフォーマーの多くが世界的に事業活動しているため、「国際的なルール作りの必要性」も指摘。「実効的な規律のあり方」として、「自主規制と法規制を組み合わせた共同規制を含めた国際的な連携の検討」を挙げた。
事業者へのヒアリング調査は「原則的に公開する」方針。