経産省19年度予算概算要求 当初予算比1280億円増額

2018/08/31 15:13 更新


 経済産業省は19年度予算の概算要求を公表した。要求予算額は1兆4085億円で、今年度の当初予算に比べて1280億円増額した。資源・エネルギー政策などのほか、AI(人工知能)を含むデジタル技術・データの活用、物作りを中心とした地域・中小企業支援、海外での事業支援などに力を入れる。

 中小企業対策費の要求額は1318億円(今年度当初予算1110億円)に増額した。従来は補正予算で措置してきた「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」(ものづくり補助金)で100億円を新たに当初予算として要求した。中小企業が認定支援機関と連携して、生産性向上のための試作品を開発するための設備投資費用などを支援する。当初予算に組み込むことで「事業の準備がしやすくなる」とする。「需要を満たさない」場合、補正予算での増額も検討する。

 中心市街地での複合商業施設の整備や商店街での新たな挑戦への支援を含めた「地域まちなか活性化・魅力創出支援事業」で14億円、マッチングや海外展示会などを通じた販路開拓などを支援する「国内・海外販路開拓強化支援事業」で27億円を新たに要求した。

 AIを含むデジタル技術・データ活用などによる「オープンイノベーションの推進」施策関連事業も818億円(506億円)に増額要求した。AIベンチャーなどと連携したデータ活用型サービスの開発事業支援で40億円、「地域需要喚起キャッシュレス実証事業」で30億円を新たに要求した。キャッシュレス実証事業では中小企業などのキャッシュレス対応の端末導入などを支援するとともに、QRコードの標準化などを推進する。

 アジアでのビジネス連携や地域・中小企業の海外展開の支援などを強化するため、ジェトロ(日本貿易振興機構)の運営費交付金を今年度当初予算の239億円から268億円への増額を要求した。

 財政投融資の要求額は1兆3150億円(今年度計画1兆620億円)。クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)への投資額は200億円(135億円)を要求する。



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