大手百貨店の9月売上高(既存店ベース、速報値)は全社が前年同月実績を上回った。国内客売り上げが堅調で、外商など組織顧客の買い上げが伸びた。免税売上高は伸び率が鈍化した前年実績を上回ったが、回復までに至らなかった。
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三越伊勢丹は外商イベントの会期ずれの影響で、国内客売り上げが10%増となった。伊勢丹新宿本店は14%増、三越日本橋本店は2%増で、買い上げ客数が減少したが、客単価が2ケタ増えた。免税売上高は8%減だった。8、9月の累計売上高は2%増となった。
高島屋は玉川店が16%増、大阪店が11%増、横浜店が5%増、日本橋店が4%増だった。国内客売り上げは5%増となった。免税売り上げは3%増で、ラグジュアリーブランドなど高額品が振るわなかったが、化粧品、婦人服、スポーツが下支えした。
大丸松坂屋百貨店は、松坂屋名古屋店が13%増、大丸梅田店が12%増、心斎橋店が9%増、神戸店が3%増だった。名古屋店は外商売り上げが大きく伸びた。梅田店はキャラクターグッズなど免税売り上げが好調だった。国内客売り上げは2%増、免税売上高は12%増となった。
阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が1%減で、大型改装に伴う売り場閉鎖が響いた。免税売上高は海外VIP顧客の売り上げが2割増となり、ほぼ前年並みの水準を確保した。阪神梅田本店は34%増で、阪神タイガースの優勝記念セールが大きく寄与した。
近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店が1%増だった。ハンドバッグや化粧品が好調。大阪・関西万博オフィシャルストアはあべのハルカス店、万博会場内店ともに目標を大幅に上回り、全社売上高を押し上げた。