百貨店のクールビズ商戦が5月からの本格化を前にスタートした。高機能素材や汎用性のあるデザインのスーツや雑貨の企画が相次いでおり、昨年の猛暑を受けて改めて注目度が高まっている。クールビズは知名度が高まった一方で、「見た目のおしゃれ感がない」「TPOに合わせた選択が難しい」など定着の途上にある。新たなスタイルや機能性で需要を掘り起こす狙いだ。
(松浦治)
高島屋は出張と有休を合わせて仕事の前後に旅行も楽しめるように汎用性と機能性を両立したクールビス商品を出した。ビジネスとレジャーを合わせた「ブリージャー」(出張休暇)に着目した。
ウールとシルクの2素材でオリジナル生地を開発した。ウールは凹凸感あるシアサッカー地に仕上げた。艶感のあるウールとさらりとした肌触りのシアサッカーでオン、オフの切り替えができるようにした。自主編集売り場やNBの計6ブランドで素材を横断した。パターンオーダースーツで7万4520円(税込み)。シルクは、撥水(はっすい)など多機能のウォッシャブル仕様のジャージーで、動体裁断で快適性を追求した。
セットアップのジャケット5万7240円、パンツ2万2680円。雑貨は靴下でオン、オフに対応したシースルースニーカー、太陽光を反射して温度上昇を軽減したレザーリュックなどを揃えた。
女性向けでもブリージャーをテーマにしたツーウェーのワンピース、スカートを出した。

そごう・西武は、軽く、着崩れしない機能に加えて、汗による臭いを抑えたクールビズ商品を集積した。「マッキントッシュフィロソフィー」「タケオキクチ」などのウォッシャブルスーツを揃えた。多機能ポリエステル素材「クールマックス」を使って夏のスーツ需要を掘り起こす。
一部店舗では例年より早めてクールビズ商戦をスタートしており、高島屋、そごう・西武の売り上げはクールビズ期間中で前年比4~5%増を見込んでいる。
