発売2カ月、ネットで〝バズる〟ファミマソックス 手掛けた「ファセッタズム」落合宏理氏に聞く

2021/05/26 06:30 更新会員限定


落合宏理さん

 「ファミリーマートの靴下」がネット上でバズっている。「ファセッタズム」の落合宏理が手掛けるファミリーマートの「コンビニエンスウェア」が発売されて約2カ月。ファミリーマートは売り上げ点数を公表していないが、TikTokで「#ファミマソックス」を検索すると420万回再生されているほど人気となっている。開発の経緯と商品への思いを落合宏理に聞いた。

(聞き手=小笠原拓郎)

 ――コンビニエンスウェアは昨年6月に大阪で150店、10月に関西圏2700店での展開を経て、今年3月から全国1万6600店での商品展開となった。

■大勢の人に見てもらえる

 プロジェクトは2年前から始まっていました。ファミリーマートの〝新しいライフスタイルを作る〟というコンセプトを具現化したものです。僕自身、リオデジャネイロオリンピック、パラリンピックの閉会式のセレモニー衣装を担当した経緯から、大勢の人に見てもらえるクリエイションに興味がありました。

 ファミリーマートの年間利用者数は50億人、1日換算で1500万人が利用します。この巨大な市場で服を売るというプロジェクトです。SNSも要らない、店舗での新しいコミュニケーションツールになるブランディングを意識しました。「ファーストラブユアセルフ」(自分を愛そう)をキーワードにして商品開発を進めました。

 コンビニで日用品を買うことで都心まで時間をかけて買い物に出かけるのではなく、その時間を違うことに使うことができる。公園で子供と遊んで泥だらけになっても着替えを買える。楽に生活を豊かにできないか。コンビニだからこそできるようなライフスタイルツールを目指しました。

ラインソックス

 ――ファミリーマートは、1980年初頭から2019年2月まで「無印良品」の日用品を販売していた。18年8月から21年3月まではオリジナル衣料品を販売。落合をクリエイティブディレクターに据えたのは、ファッションを軸にした初めての商品開発ともいえる。

 パッケージデザインからビジュアルのキャスティングなど全てに目を通しています。コンビニエンスウェアである以上、緊急需要が大前提ですが、それを変えていこうと思いました。Tシャツであれば、私たちが普段買っていたパックTと同じように安心して着ていただけるようにしたかった。パッケージデザインでは、情報量を最低限にして裏は透明にしました。自分自身、「ヘインズ」や「ギルダン」のTシャツが好きだったし、そういうものをコンビニから発信したいと思いました。日用品を捨てないで上質で使い続けるものを目指しました。

この記事は無料会員限定記事です。

今すぐ無料で会員登録

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード会員限定



この記事に関連する記事