「シンヤコヅカ」(小塚信哉)は7月14日、都内で26年春夏のショーを行った。プライベートな部屋の空間を発想源に、柔らかなシルエットや懐かしさを感じる柄とともに「心に機能する服」を見せた。
ワークスタイルのオールインワンは左の胸元の色がぼんやりと白く抜けて月のアップリケが付いている。モデルの顔には月のヘッドピース。実家の部屋で過ごしながら、事務所の屋上で月を眺めている感覚がクロスオーバーした情景を、ユニフォームやワークウェアのプロダクトの形にした。家や月、花が重なるように描かれたジャカードのエプロンやカバーオールのセットアップ。身近なアイテムをキャンバスに、人の内面に響く深みのある世界をテキスタイルで表現する。シンプルなボートネックのプルオーバーもジャカードニットで月明かりが描かれ、凛(りん)とした雰囲気に仕上げた。

後半にはパジャマのようなスタイルが登場する。レトロな花柄のベロアのジャケットにクロップト丈のパンツ。様々なイラストが絣柄風になったジャージーのセットアップなど。手描きしたような柄がホッとした気持ちを誘う。

(須田渉美、写真は加茂ヒロユキ)