中国・アリババグループの対外関係部門の責任者、ブライアン・ティングラー氏がニューヨーク州立大学コンヒューシャス・インスティチュート・フォー・ビジネス主催のコンファレンスで講演した。
ティングラー氏によると、世界のオンラインの買い物客の30%、オンライン売上高の半分が中国人によってもたらされている。同氏は、10年はオンライン買い物客の数が中国と米国でそれぞれ1億4000万人で同数だったが、20年には米国は2億7000万人、中国は8億9100万人になると予測する。
ティングラー氏は、「中国はEコマースの急速な成長が起きるパーフェクトな環境がある」と断言。その理由を、「人口あたりのモールの数が米国に比べて圧倒的に少ない」「ウェブサイトがマーケットプレイス中心」「サードパーティーによる決済システムが進んだ」「物流にかかるコストが安く、なおかつ人口100万人以上の市の数が143と多い」と説明した。
サードパーティーによる決済は、アリババが先行した「アリペイ」が大手。毎月4億人の実動ユーザーがいて、年間640億件の決済を処理しているという。
海外製品の中国本土向け通販サイトの「Tモール・グローバル」では、米国の人気が一番だが、日本が肉薄し、3位以下はドイツ、韓国、オーストラリアと続く。昨年11月11日のシングルズデー(独身の日)のセールで最初に売れたのは米国の「コストコ」のナッツで、「メーシーズ」や「ターゲット」も人気があったという。シングルズデーの8時間前に上海で行われた、「ギャップ」のファッションショーの動画も紹介された。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員、写真も)