取扱い絵表示変更、使用で懸念

2016/08/01 05:00 更新


《知・トレンド もう少し知りたい》取り扱い絵表示が12月から一斉切り替え

基本記号の使用で懸念

 取り扱い絵表示が12月1日から一斉に切り替わる。ISO(国際標準化機構)のISO3758(ケアラベル)、ISO6330(家庭洗濯及び乾燥試験方法)、ISO3175‐1~4(商業洗濯)が改正されたため、それに対応して変更されるものだ。

 日本が加盟する世界貿易機関(WTO)は、付属書「貿易の技術的障害に関する協定」(TBT協定)で、貿易を円滑化するため規格や規格の評価方法が阻害要因(非関税障壁)にならないように求めている。そのため、WTO加盟国はISOを中心とした国際規格に自国の規格を合わせる整合化を進めている。

 ISO3758で使用されている五つの基本記号は、パリに本部を置くNPO(非営利組織)のGINETEX(繊維製品取り扱い表示ラベルに関する国際協会)などが知的所有権を持っている。GINETEXは、日本や中国などで商標出願しないとしてきたが、ここにきて中国で商標出願した。これを受け国内で懸念が広がったため、カケンテストセンターは、日本で商標出願しないことを条件にGINETEXの会員になった。

 ISOは任意規格だが、日本の取り扱い絵表示は、JISに基づき家庭用品品質表示法により表示が義務付けられる。法律で義務付けられているのに使用料が発生するのは現実にそぐわないとして、国内では対応策が論議されてきた。カケンは国内検査機関トップとしての責務から会員になったとみられる。



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