文化服装学院は、19年4月の入学者数が今春より2ケタ増え、1600人台となる見通しだ。
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来年度入学者の試験は年内実施分で既に約1300人の合格者が決まり、来年約350人を見込む。東日本大震災で留学生が激減した11年春以降、入学者は1300~1400人台で推移しており、震災前の水準に回復するのは久しぶり。自己推薦や学校長推薦など、日本人の出願者が増えた。
ここ10年、18歳人口が横ばいで増えない一方、大学・短大への進学率は55%近くに上がり、専門学校は入学者の確保に苦労している。同校の入学者も11~14年度は1400人台、15~17年度は1300人台だった。しかし、18年度は1445人(前年度比5.6%増)で、留学生の増加が貢献して浮上した。
留学生は中国、韓国、台湾はじめASEAN(東南アジア諸国連合)や欧州からも増加しており、入学者に占める割合は約18%まで上昇した。18年度の入学者も留学生17.9%に対し、日本人は学校長推薦39.6%、自己推薦27.9%、一般入試14.6%だった。
19年4月の入学予定者は、留学生が今年の反動で微減の見込みだが、自己推薦が今年より約30%増えた。
自己推薦は感性や意欲が高く、大学生や社会人受験者も目立つ。通知表の評定が平均3.2以上の学校長推薦も出願が増え、一般入試も1回目が50人増えるなど、日本人の出願者が大幅に増えている。
日本人が増えた要因は「情報収集方法の多様化に早めに対応できたことと、テレビに取り上げられる機会が増えて認知度が上がった影響が大きい」という。ファッションに興味を持つ高校生を開拓するためSNSによる情報発信を強化しており、今春の時点でツイッターのフォロワーは約1万5000人、フェイスブックのファンは約1万人。インスタグラムも正式に導入し、強みのビジュアルを生かした訴求を強めている。
「高校の後輩など多くのフォロワーをもつインフルエンサー的な在校生もおり、学校行事などに参加した学生のSNSでの発信効果も高い」ため、今年度は学校説明会の参加者も毎月、前年を上回った。SNSを見て、一度も来校せずに受験する高校生も増えている。
「ファッションに関心を持つ若い人を増やし、業界の活性化につなげたい」と、今後も各種の発信を強める方針だ。